一時「キレる中高年」という言葉が流行り、盛んに話題に上りました。たしかに電車の優先席付近で「携帯の電源を切れ!」と叫んでる人や「席を譲りなさい!」と声を荒らげてる人、自転車で走ってきて「どけよ!危ないだろうが!!」とわめき散らす人は、中高年に多いと思います。

けれど、キレているのは果たして中高年だけでしょうか? 誰もが利用する通勤電車での光景を眺めていると、混んでるから仕方ないのにちょっと身体が触れただけでその人を睨みつけて「何だよ、気持ち悪いな!」などと言ったり、仕事でくたくたに疲れて座席でうとうとし、身体が横に傾いて隣りの人に寄っかかるようになってしまった人をもの凄い勢いで肘で反撃し、反対隣の人にぶつかるまで逆襲してる人などをかなりの頻度で見かけます。
そういう人の中には、20代や30代の若い人もたくさんいます。そしてそういう人たちは、正直言って、こわいです。今回は、女子が通勤電車でキレる人から身を護る方法についてお話しさせていただきます。


【正社員サラリーマンはキレたりしないと思い込むのは間違い。】

みなさんは「キレる人」というと、2008年6月に起きた秋葉原無差別殺傷事件の犯行当時25歳だった元派遣社員の男性のことや、2013年12月に発覚したアクリフーズ農薬混入事件で逮捕された同社に勤務していた契約社員の男性のことを思い浮かべるかもしれません。
たしかに発想様式としては「賃金が低いために生活が苦しく身分も不安定な非正規労働者の人がやけを起こしやすいのでキレやすい」と考えることはとてもシンプルで、一理はあるのかもしれません。ですが、だからといって給料もよく賞与も退職金もあり身分も安定している正社員サラリーマンの人たちはキレたりしないと思い込むのは大変な間違いです。
というよりも、女子のみなさんに特に注意しておいていただきたいことは、身なりもきちんとしたスーツ姿で企業の正社員として勤務し妻も子どももいるような人が、突如として気に障った相手のことを口汚い言葉で罵りはじめたり、いきなり相手を押して線路に突き落としたりといった事態が、わが国ではここ数年頻発しているという事実を直視しなければいけないということの方でしょう。


【異常な拘束時間や極端な長時間労働でキレる寸前状態にあるのはむしろ正社員の方】

“メイルブレッドウイナーモデル”という英語の言葉があります。これは、産業革命以降の西欧型社会に生きる人々の「働き方」や「家族のあり方」の典型とされてきたモデルのことで、男性(メイル)が「妻」がいることを前提にして外に出、会社員として働く。つまり大黒柱(ブレッドウイナー=パンを稼ぐ人の意味)であるという形態です。
今でもわが国のサラリーマン社会の根底にある考え方は、「妻がいて子どもの教育や親の介護は妻がやってくれるのだから、大黒柱である男はとことん残業し、長時間労働に耐えなければならない」という、このメイルブレッドウイナーの思想に立脚したものです。

高度経済成長期からバブル経済期にかけての時代まではまだ、このメイルブレッドウイナーモデルの問題点は表面化しませんでした。何故ならば会社の側が長時間労働や異様なまでの拘束時間と引き換えに終身雇用を保証し年功序列の賃金体系で家族を養っていけることを保証したわけです。だからこそ「モーレツ社員」「24時間闘えるジャパニーズビジネスマン」といった概念が生まれ、“ニッポンのサラリーマン”たちはキレることもなく会社に全身全霊・全人格を捧げてこれたのでした。

今は違います。企業は非正規雇用というシステムを堂々と使用していいお墨付きを手に入れ、さらに賃金の安い非正規の人たちを基幹化して使用するようになりつつあるため、正社員の人たちとの間の暗黙の取引として与えていた終身雇用や年功賃金を撤廃し、過労死やうつ病に結びついてもおかしくないような過酷な長時間労働と異様な拘束性だけが残ったわけです。筆者は、これが今のわが国において「キレる正社員サラリーマン」が増加している本当の原因ではないかと考えております。

<参考:月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者・井上伸のブログ 2015年8月18日付>


【女子が通勤電車でキレる人から身を護る具体的な方法は……】

それでは、(前置きが長くなってしまいましたが)女子が通勤電車でキレる人から身を護るための具体的な方法をご紹介させていただきます。

●電車で座れてどうしても眠りたいのであれば、いちばん端の席に座れたときに限ること。万が一端ではない席で眠る場合は、間違っても横に傾かないよう、前屈した姿勢で眠ること。前屈した姿勢で眠れば「こっくり、こっくり」の傾きも前後の動きのみになるので、隣の人にキレられるおそれは少ない。

●もしも「身体が触れたぞ!」などとキレられた場合は、車両がそれほど極端に混んでいなければ、脱兎のごとく逃げること。混んでいる場合は「すみません。こわい人がいるんです」と声に出しながら逃げさせてもらうこと。キレてる本人とは一言も言葉を交わさず、関わらずに、とにかく逃げる。ひたすら逃げる。逃げるが勝ちです。

●たとえ高齢者が周囲にいなくても、念のために優先席付近ではスマートフォンの使用を我慢する。若く見えても実際にはけっこうなお年で、スマートフォンが昔の携帯電話のように医療機器の誤作動を誘発するほど強い電波を発していると思い込んでる人はまだまだいます。

●舌打ちをしてる人がいたら、事が起きる前に離れる。

●誤ってカバンなどがぶつかってしまったような場合は謝る。相手が男性であろうが女性であろうがとにかく謝る。謝っても許してくれずに降車ぎわの肘打ちなどで報復してる人は意外にも女性に多いように見受けられますが、それでも謝ることこそが被害を最小限にとどめさせてくれる方法です。

ぜひ、頭の片隅にとめておいてください。機会があれば続編もと考えております。




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