前回は女性特有の病気についてお話しましたが、今回はここ数年増え続けている性感染症についてお話したいと思います。

性感染症は薬を飲めば治ると思っている方もいらっしゃるようですが、中には【完治しない】病気もあるのです。現代の技術を持っても効果的な薬がなく、進行を抑えることや再発を予防することしかできず、病原菌を排除することができないものもあります。そのため、筆者は特定の相手とのセーフティセックスが最善だと考えています。実際に性感染症の実態について見ていきましょう。

◆性感染症の実体とは

性感染症とは感染している人との性行為によって感染するものです。病原菌を含む精液、腟分泌液、血液などが口や性器の粘膜、皮膚などに接触することで感染が起こります。性行為を行なっている全ての人が感染する可能性があり、オーラルセックスやアナルセックスも同様です。以前は一般の人には関係のない風俗街の病気というようなイメージで捉えられていましたが、現在では一般のカップルにも広まりつつあり、決して他人事ではないのです。

性感染症は症状が現れにくいものもあり、自然治癒することはないため、知らず知らずのうちに進行してしまいます。その結果、不妊症の原因や出産時に赤ちゃんに感染してしまう事もあります。更には、性感染症に感染している方は、通常の3~5倍HIVに感染する可能性が高くなるのです。

発症率の高い性感染症

性感染症には様々な種類がありますが、主に発症率が高いものをご紹介したいと思います。

「性器クラミジア感染症」

性感染症の中で発症率が最も高く、10代~20代の感染者が多いとされています。クラミジアは自覚症状が少なく感染している事にも気付きにくい病気です。また放置していると不妊症の原因にもなり、HIVの感染率は通常の約5倍にまで上がります。性器だけでなく、オーラルセックスにより咽頭にも感染します。

クラミジアの症状として、女性はおりものが増える下腹部に痛みを感じる、不正出血、性交痛などがあります。男性はほとんど症状がありませんが、排尿時にムズムズするような感じ、しみるような痛み、尿道からの分泌などがあります。

治療法として、抗生物質の服用が効果的ですが、症状がなくなったとしても完治していない場合が多く、薬の服用を途中でやめてしまっては再発の原因になりますので、自己診断はせず医師の判断を仰ぎましょう。また抗生物質の服用に伴い「カンジダ症」を併発する場合があります。カンジダ症の治療には膣錠と塗り薬が有効です。

「性器ヘルペス」

性器ヘルペスは、感染してから4~10日ほどで強い痛みや高温の発熱を伴うことが多く、性器に赤いブツブツや水ぶくれ、潰瘍ができるのが特徴です。女性の場合、排尿が困難になる程の痛みを感じる事もあり、脚のつけ根のリンパ節が腫れてしこりのような物ができる事も知られています。また口唇ヘルペスを発症している相手とのオーラルセックスでも性器にも感染します。出産時に病変が見られた場合には、帝王切開が勧められています。

女性がヘルペスウイルスに感染している場合、外陰部だけでなく膀胱や子宮などにも及び、ウイルスは髄膜にまで達して髄膜炎を起こすことも知られています。髄膜炎を起こすと激しい頭痛がし、尿が出なくなります。我慢できる痛みではありませんし、何の治療もしなければ完治するまでに3週間以上かかります。しかし、きちんと治療すると約1週間程で治すことができます。

実はこの性器ヘルペスが上記でお話した【完治しない病気】なのです。治療法としては薬の服用と軟膏で治療することはできますが、ウイルスが身体から排除される事はなく、再発を繰り返す方がほとんどです。再発の場合は小さな水ぶくれや、潰瘍ができるだけの軽い症状ですむことが多く、生理の前後や心身のストレスを感じた時、免疫力が低下している時などに再発します。

再発する際にもやはり、脚の付け根のリンパが腫れ、足全体がピリピリと痛みを感じる事があります。再発を予防する為に、毎日決められた用法用量の薬を服用する、再発抑制療法がありますのでこちらを医師と相談しながら続けられる事をオススメします。

性器ヘルペスに一度でも感染してしまうと、この先「特効薬」ができるまで一生付き合っていかなければなりません。新しいパートナーができても、セックスをする際には細心の注意を払わなければいけませんし、この先の妊娠、出産にも影響を及ぼすことなのです。

後編では今回お話できなかった性感染症やHIVについてお話したいと思います。




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