ピルの服用でガンになるなどという俗説も多く、ピルについて誤解されている方も多いようです。もちろん、実際には、ピルにそのような危険性はありません。筆者のコラム「バースコントロールしてますか?」でピルについてはお話していますが、今回は、ピルがどのように作用するかも含めていくつかのピルのリスクについてお話しましょう。


<避妊薬としてのピル>

まず、ピルの基本効果のひとつが避妊効果です。ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれています。この2つのホルモンが脳の視床下部に働き、排卵が起こらない状態となり避妊効果が得られます。さらに、ピルは子宮内膜や子宮頸管粘液に作用し受精・着床を阻止するので、より高い避妊効果を発揮します。ピルで排卵を抑制している間は、卵巣は休んでいる状態といえます。


<ピルの服用でガンのリスクが低くなる?>

・卵巣癌
ピルの服用中は、卵巣は休んだ状態、つまり休息しているので卵巣膿腫や卵巣癌のリスクは低くなります。

・子宮体癌
子宮体部は、外側は筋肉層で、内側は子宮内膜という粘膜でできています。子宮体は、この内膜に発生します。ピルの服用中は、子宮内膜は薄くなるので子宮体癌のリスクは低くなります。また、子宮内膜症も軽くすることができます。

・大腸がん
ピルの服用で大腸がんの発生率が低くなるという報告もあります。しかし、なぜ大腸がんが減るかというはっきりした理由は、まだ分かっていないようです。

乳癌や子宮頸癌のリスクを上げるというのは俗説です。ただ、以下のような場合によっては、癌の進行を早めるなどのリスクがあるケースもあります。


<ピルの服用で注意が必要なガン>

・乳癌
ピルを服用する事で乳癌を持たない人が乳癌になる可能性が上がることはありません。ただし、すでに乳癌になっている人、または過去に乳癌の既往歴がある人はピルを服用すると乳癌を悪化させる可能性があります。

・子宮頸癌
子宮頸癌に関しては、ピルによりリスクが上がるのか、ピルの服用によりコンドームの使用をしないために子宮頸癌ウィルスのHPVへの感染の機会が増えることが原因なのかは、専門家の意見も別れますが、ピルの服用を5年間継続すると そのリスクがわずかに増加し、服用を10年間継続するとリスクは2倍になるとの報告もあります。ピルの服用を長期間継続している方は、定期的な子宮頸癌検査を受けるようにしましょう。また、乳癌や子宮癌は、初期の自覚症状が乏しいので、ピルの服用の有無に関わらず定期的な検査をすることをお勧めします。


<ピルの服用は医師に十分な相談を>

ピル服用に伴い注意していただきたい点があります。それは、血栓ができる危険性があるという点です。特に40歳を過ぎると注意が必要です。40歳を過ぎた患者には、ピルの服用を推奨しない医師もいます。特に喫煙をする場合は、その危険性は、より上がります。定期的な血液凝固因子の検査などを行うことをお勧めいたします。




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