夏は赤ワインの季節ではなくても、やはりお肉には赤ワインを合わせたいし、冷房の効いた室内で飲む芳醇な赤ワインは格別においしいものです。そんな赤ワインですが、造り方はとてもシンプルだって知っていましたか?



◆赤ワインは黒ブドウから造られ、皮も使われています
白ワインはブドウの果汁だけを使って造られていましたが、赤ワインは果汁・果皮・種子のすべてを使って造られています。赤ワインの色が赤く、そして渋味の強いワインなのは、アルコール発酵時に果皮や種子を一緒に果汁に漬け込むことで、赤い色素や渋味成分(タンニン)が染み出してくるからです。赤ワインは、必ず黒ブドウを原料として使います。例外としてコート・デュ・ローヌ地方などで白ブドウを少し混ぜて発酵させることもありますが、赤ワインの赤い色は黒ブドウの果皮からきているものなので、黒ブドウなしで赤ワインを造ることはできません。



◆赤ワインの味わいで大事なことは酸味と渋味
味わいに関して、赤ワインが白ワインと大きく違う点は、渋味を沢山含んでいる点です。赤ワインでも酸味は大事な要素ですが、赤ワインの重要な骨格をひとつあげるとしたらやはり渋味だと思います。とても簡単な赤ワインの分類の仕方として、赤ワインは渋味の強い、弱いで分類され、重い、軽いと分類する要因の一つも渋味です。品種、産地の気候、醸造方法などに影響を受け、渋味の強さが決まります。赤ワインのその他の特徴としては、比較的ボディの重いもの、風味の複雑なものが多いことがあります。もちろん例外も沢山あります。様々な成分が果皮や種子から抽出される赤ワインは、白ワインと比べてスケールが大きくなりやすいです。赤ワインにお肉料理を合わすことが多いのは、重いワインや複雑なワインほど重い食材を相性が良いからです。また、赤ワインは比較的高めの温度で飲むほうがおいしく感じられますが、それも重く複雑なワインほど適温が高くなるからです。



◆赤ワインは熟成を楽しめます
赤ワインに多量に含まれる渋味成分(タンニン)は、ワインの寿命を長く保ち、長期間の熟成を可能にすることが知られています。渋味の量だけで寿命が決まるわけではないけれど、一般に渋味の量が多いブドウ品種ほど、長期熟成しやすいという傾向は認められます。カべルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ネッビオーロなどが長熟のワインを生みますが、それも強靭なタンニンが特徴の品種です。



◆温暖な産地のほうが栽培に適しています
寒冷地では果実の熟度が低くなり、酸味が強く色の淡い黒ブドウしか得られない為、赤ワインは比較的温暖な産地に向いています。酸味の強すぎる赤ワインはバランスが悪く感じられます。

赤ワインの生産が盛んな代表的産地

・フランス中南部(ボルドー地方、ブルゴーニュ地方中南部、コート・デュ・ローヌ地方など)

・イタリア

・スペイン

・カリフォルニア

・オーストラリア

など温暖な産地が多いです。
ブルゴーニュ地方で栽培されているピノ・ノワールなど比較的冷涼な地域を好むブドウもあります。



◆赤ワインの造り方を簡単に紹介します
1)除梗・破砕 (ブドウの茎の部分を取り除き、粒を潰す)
除梗破砕機という機械を使い、収穫されたブドウから茎の部分(果梗)を取り除き粒を軽く潰す工程。
除梗…ワイン造りに必要のない果梗の部分を取り除くこと
破砕…果梗から外れた粒(果粒)を、回転するローラーで挟んで潰すこと
果皮が破けると、果汁が外に溢れ出して空気に触れ、アルコール発酵を起こす酵母と接触することが可能になります。


2)アルコール発酵/マセラシオン(浸漬)
アルコール発酵によるアルコールの生成と、果皮・種子からの成分抽出が同時進行
マセラシオン(浸漬)…果皮・種子からの成分抽出、赤ワイン造りにおいて大事なプロセスの一つ


3)果帽管理
果帽(赤ワインの発酵中に、炭酸ガス(アルコール発酵中に生まれ、泡となって液面に浮かび上がる)の圧力によってブドウの固体部分(果皮・果肉・種子)が液面付近に押し上げられ、つくられた固い層)はワインの液面に浮かんだようになっているのですが、そのままの状態では、色素や成分の源である果皮・種子と、果汁/ワインがほとんど触れられません。そこで、果帽管理と言う、果帽部分と液体部分が接触するようにする作業を行います。


4)圧搾(プレス) (固体部分を取り除き、果汁を絞る)
ブドウを絞って果汁と個体部分を分離します。
ポンプを使ってブドウをプレス機(圧搾機)に送り、圧力をかけて果汁を搾りとります。


5)マロラクティック発酵 (リンゴ酸→乳酸+二酸化炭素 減酸、風味の複雑化)
マロラクティック発酵…ワイン中に含まれるリンゴ酸を乳酸菌が乳酸と二酸化炭素に分解するという工程
乳酸はまろやかで比較的優しい酸っぱさを持つ酸なのでこの発酵によってワインの酸味が減少し、ワインの風味も複雑化する


6)熟成・澱引き (ワインをクリアにする)
ワインが出来上がってから、瓶詰めして出荷するまでに、ワインを澄ませる処理が必要になります。発酵終了後のワインの中には無数の酵母の死骸、果皮や果肉のかけらなど大量の個体が浮遊していて、かなりの濁りがあります。ワインをタンクや樽の中で静置しておくと、こうした個体は底に沈んで沈殿しますので、上澄みを別のタンクに移し替えて沈殿物を取り除きます。この沈殿物を「澱」、上澄みを取り除く作業を「檻引き」と言います。こうした静置の期間を通し、ワインは少しずつ味わいにまとまりがでてきます。
このワインを寝かせておく作業を「熟成」と言います。
熟成の期間はワインのタイプにより様々ですが、赤ワインの場合、白ワインより長めで数カ月~3年ほどが一般的です。


7)清澄・濾過 (浮遊物を沈殿させ、取り出す)
澱引きを複数回行っても、ワインがまだ完全に澄んだ状態にならないことがあります。また、見た目には澄んでいても、ワインの品質に悪影響を及ぼす目には見えない微生物が潜んでいることがあります。そこで、清澄、ならびに濾過という作業が瓶詰め前に行われます。
清澄…ワイン中に浮遊するコロイド状の物質を凝集・沈殿させる工程
濾過…目の細かいフィルターにワインを通して、微生物を含むワイン中の固形物を徹底的に除去する工程
また、清済や濾過をしてしまうとワインの中の風味が失われてしまう、と考えている生産者はやらない場合もあります。


8)瓶詰め
オートメーション化された瓶詰めラインで、瓶へのワイン充填、コルク打ち、キャップシール巻き、ラベル貼りまで一貫して行います。
簡単に言うと、

・果汁を絞る
・アルコール発酵
・少し寝かせて味が落ち着いたら瓶詰め

という工程で出来上がり、白ワインとの違いは、アルコール発酵時に果汁に果皮・種子を漬け込むところ、です。



赤ワインの造り方もとてもシンプルですね。難しいことは抜きにしてワインを楽しみたいですが、少しだけ知っておくと愛着がわきます。おいしいお肉に赤ワインを合わせながら、ワインを造っている人たちに思いを馳せるのも楽しいかもしれません。

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