インド料理といえば、カレーですが、私たち日本人が親しんでいるカレーライスと、インドのカレーは、実は似て非なるものです。では、本場インドのカレーとはどんなものなのでしょうか?そもそもカレーの語源はいったい何でしょうか?

今回は、カレーのルーツとその歴史について調べてみました。


【カレーのルーツとは?】

インドにはカレー(カリー)という名の料理は、ヨーロッパ人が来るまでありませんでした。十六、七世紀に、こしょうなどのスパイスを求め、またキリスト教布教のために、ポルトガル人やオランダ人がインド西海岸にやって来ました。彼らは、現地で目にしたインド人の食事について、「インド人の通常の食事は、炊いたご飯に何種類ものスープ状のものをかけて食べる。そしてこの地方では、一般にカリルと呼ばれる」と書き残しています。

カリルとは、南インドの言葉「カリ」のことで、辞書では「野菜、肉、こしょう、塩味、咀嚼」などと説明されています。スープやソースという意味ではなく、つまりは、「食べ物」であり、「食べること」も指したようです。

ポルトガル人たちは、スープをかけた食事の名前を聞いたのに、インド人たちは「食事だよ」とか、スープの具(種類)は「肉や野菜だよ」という意味で、「カリ」と答えた。それを、ポルトガル人たちが料理名だと思って、この料理自体が「カリ」と呼ばれるようになった。そんな勘違いから、「カレー」の名は始まったのかもしれません。
当時、インド人たちが食べていたのは、おそらくサンバル(豆がベースの野菜スープ)、クリャンブ(豆がベースの肉や魚のスープ)、ラサム(こしょうのきいたスープ)など、南インドの典型的な煮込み料理で、どれも現在までずっと白いご飯にかけて食べられてきました。それぞれが料理名を持っていますが、今日では、インド人も、特に外国人と話をする時は、家庭で作る煮込む料理全般をカレーと呼ぶことが多くなっています。


【日本のカレーはイギリス式】

日本のカレーは、明治時代にイギリスから入ってきたものです。インドがイギリスの植民地だった十九世紀、イギリスでは植民地からもたらされたカレー料理のイギリス化が進行しました。イギリスでは、生のスパイスが手に入りにくいため、イギリス人はインドにはなかった「カレー粉」を生み、小麦粉をバターで炒めて作る「ルー」を作り出して、自分たちの口に合う、インドのカレーとはかなり違うイギリス式のカレーを作り上げました。それが、明治の日本にハイカラな西洋料理として輸入されたのです。


【カレー文化は南インドから】

カレー粉はイギリス人が発明したものですが、インド人は生のスパイスをすりつぶして使います。今でもインドの家の台所の多くには石臼があり、近代的マンションの台所にも備え付けられているそうです。何種類ものスパイスを、わが家の好みに合わせて、あるいは風邪をひいているからと家族の健康を考えて、混ぜ合わせて使う。それがインドの家庭のお袋の味を作っているのです。
南インドの九世紀のヒンドゥー教寺院に残された碑文には、神様に差し上げる食事として、こしょう、うこん、マスタード(辛子)、クミン、コリアンダーの名前が見えます。たくさんあるスパイスの中でも、この5つは現代のカレー料理にもかかせないものです。この碑文から、九世紀までに今日のカレーの原型が、南インドで出来上がっていたことが分かります。


インド料理と聞いて、誰もがまず思い浮かべるカレー。本場インドでは、カレーの中にも文化が溶け込んでいるのです。 そのルーツや歴史を知れば、カレーがもっと味わい深くなるかもしれませんね。







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