以前、イタリアのスパークリングワインを紹介しました。手軽なスパークリングワインももちろん美味しいけれど……大切なお友達へのお土産や家族の記念日、お祝いにはやっぱりシャンパーニュが適しています。宮中晩餐会の乾杯も、F1のシャンパンファイトも船の進水式も、世界中で特別な日にはシャンパーニュが登場しますよね。

シャンパーニュはいつから、どうしてそんなに特別なのでしょうか?今回は簡単にシャンパーニュのおさらいとフランスの宮廷の歴史にシャンパーニュを探してみましょう。

◆シャンパーニュとは?

シャンパーニュはフランスの北東部、代々フランス王が戴冠式を行ったランスの大聖堂のあるランス、エペルネなどの町を中心としたシャンパーニュ地方でつくられる発泡性のワインのことです。原料とするブドウの栽培や収穫、醸造方法には細かく規定が設けられ、規定を守って作られた発泡性ワインのみがシャンパーニュと名乗ることができます。

シャンパーニュを作るために認められているブドウは7種ありますが、約70%を赤ワイン用のブドウ、残りの30%を白ワイン用のブドウを使ってつくられます。でも、シャンパーニュといえば、白ワインと同じ透明な色合いですよね。なぜ、赤ワイン用ブドウ品種から透明なシャンパーニュができあがるのでしょうか?シャンパーニュの色の表示について見てみましょう。

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ご覧のとおりブラン・ド・ノワールは赤ワイン用ブドウからつくられます。果汁を絞った際、そもそもワインの色素は常温では果汁へあまり溶け出しません。発酵途中エチルアルコールが発生してから徐々にアルコールに対して溶け出すものだそうで、赤ワインは色素を含む皮や種を一緒に醸して赤い色あいを作り出します。

発酵の途中で、まだまだアルコール度数が低いうちに種や皮から果汁を切り離してしまえば白ワインと同じ色合いになるという仕組みです。それでもピノノワールの果肉はほんのり赤い色合いをしていますので、ぎゅっと絞ればピンクの果汁になってしまいます。色がつかないようにそっと果汁を絞るのもシャンパーニュの特徴です。

さて、シャンパーニュはスペインのCAVAや、イタリアのスプマンテに比べるとお値段が高めです。それはなぜでしょう?そこにはフランスのブドウ栽培の北限で厳しい環境の中、シャンパーニュの名にふさわしい高品質のブドウ栽培が行われていることや、手間暇かけた醸造~熟成方法にあります。

シャンパーニュは必ず瓶内二次発酵という方法がとられます。出来上がった普通のワインを瓶に詰め、そこへ糖分と酵母を加え、再び発酵を始めさせるやり方です。うまみのもととなるアミノ酸や、複雑な香りのもととなるエステルを作り出すとともに繊細な泡立ち、複雑な香り、風味を長期間かけて生み出していきます。

買ってすぐ飲むとさわやかなのど越しを感じられるのは、熟成させると複雑な味わいを楽しむことができるためなのです。対して気楽なお値段のスパークリングワインは瓶の中ではなく大きなタンクで二次発酵させるものが多く、熟成に向きません。さわやかなのど越しや果実味を楽しむための気軽な一杯を目指して作られています。

 シャンパーニュはいつから泡の出るお酒だったのでしょう? 17世紀まで、この地では色の薄い赤ワインが作られていました。シャンパーニュ地方はフランスで最も北にあるワイン産地ですので、当然寒いです。秋にブドウを収穫してワインを仕込み、冬が来ると寒さで発酵がストップしてしまいます。

しかし、ロンドンやパリへ運び春を迎えると……再び発酵が始まり発泡酒になる、そんな発泡性のお酒の人気を知ったのが研究熱心な僧侶ドン・ペリニヨンでした。イギリスで発明された厚く強いガラス瓶に入れて、シャンパーニュは発泡性のワインとして商品化への大きな一歩を進んだのです。

シャンパーニュが公にパリの宮廷に登場するのは18世紀になってからです。ルイ15世の宮廷だといわれています。しかし、当時は瓶の中でうまく発泡しているものは10本に1本くらいだったそうですし、失敗作も多く・・・美味しいものに当たればラッキー。限られた上流階級にのみ許された最高の贅沢品だったことでしょう。

シャンパーニュに注目したのがルイ15世の愛人、ポンパドゥール夫人でした。彼女はシャンパーニュを「女性が酔ってなお美しくいられる唯一の飲み物」だと評しています。王と彼女はとくにモエ・エ・シャンドンのシャンパーニュを愛し、当時のフランスの重要な輸出品でした。

モエ・エ・シャンドン社の顧客資料には「1750年にマダム・ポンパドゥールが顧客になり、彼女は一度に200本シャンパーニュを注文した」と、あるそう……すごいですね。当時の華やかで享楽的な宮廷のパーティでは、女性の大胆に肩を露出したドレスの開いた胸元にシャンパーニュの泡をかけて楽しんだんですって!

そんなモエ・エ・シャンドンの現在の所有者はLVMH(モエ・ヘネシー・ルイヴィトン)です。この巨大なブランド品を扱う集合体は5つのセクターからなりたっています。ルイ・ヴィトンやセリーヌといった服飾ブランド、クリスチャン・ディオールなどの香水・コスメ部門、タグ・ホイヤーなどの時計やショーメを代表とするジュエリー部門。そして、ルボンマルシェなどの流通と、このシャンパーニュをふくむワイン&スピリッツ部門です。

品質とともに、シャンパーニュが世界の重要な舞台に登場し続けるのは、そのブランドイメージ。昔からルイヴィトンや、パリコレなどのファッション業界とコラボしてきましたし、王族など社会的に重要な立場にある人たちのステータスシンボルとなってきました。

富の象徴として思い浮かべる宝石、装飾品と同様にシャンパーニュは富を象徴する飲み物なのです。飲み物としての味わいとともに、ラグジュアリーな時間を演出するアイコンであることもシャンパーニュの重要な要因ということです。

さぁ、良いことがあったとき、うれしいとき、自分を勇気つけるとき・・・シャンパーニュはそのい華麗な泡立ちでその時間を満たしてくれるはずです。



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(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)