1.日本ワインの現状

飲料としての日本ワインが注目され始めたのは1980年代からです。それ以前は生食用がメインで、ワインといえば生食用として市場に並ぶには形が悪いなど難あるブドウで甘口のワインをつくり、ブドウ産地のお土産として1升瓶で販売していた歴史があり、今も山梨などの酒屋さんには一升瓶ワインが並んでいます。
・・・それらは湯のみでいただくのが山梨流。そんな飲み方も・・・むしろ、ちょっとしてみたいですよね。

さて現在日本に流通するワインは輸入ワインが約26万キロリットルに対して・・・国産ワインは約11万キロリットル(約3割)あれ?そんなにあるんだ。結構頑張っているんだねという印象を持ちませんか?ところが、ここでいう「国産ワイン」とは「外国からブドウや果汁を輸入してきて国内でワインに仕上げたもの」を含むのです。日本の地で栽培されたブドウを原料に、日本でつくられたワインのみということになるとわずか3%にしかすぎません。そこには単に技術的、文化的なことよりも農業の高齢化と農地の少なさ、人件費や原料ブドウの高さなど複雑な問題が絡むようです。

しかし東京オリンピックを控え、日本ブランドを海外へアピールするためにも「これではいかん」と立ち上がったのが政府。国税庁は日本で栽培されたぶどう100%をつかったワインを「日本ワイン」と表示し、地域で育てたブドウを85%以上使用した場合に限り、産地名をラベルに表示できるように指示。「基準を厳格化することで国産ワインの品質を高め、海外にPRしたい」としていて、2014年、自民党主体で「ワイン法制に関する勉強会」も発足。国内法の制定に向けた準備が進められている段階です。


2.九州のワイナリー

紀元前からワインを作り、日常生活や精神的、文化的な部分にも深く浸透するヨーロッパ各国のワインとワインを作るということに対し、アメリカなどニューワールドでは、投資の一環としてのワイナリーや、ステイタスワイナリー、ファッションとしてのワイナリー経営も多いのが特徴です。日本ワインが活性化し、日本各地につぎつぎとオープンしている日本のワイナリー。筆者の住む九州はどのような状況なのかここに簡単にご紹介したいと思います。

九州では大きくわけて3タイプのワイナリーが存在します

①第三セクター、町おこし(都農ワイン、安心院小さなワイン工房、五ヶ瀬ワイナリー)
②酒造会社やその他企業が母体となってワイン産業進出(巨峰ワイン、五島ワイナリー、熊本ワイン、安心院葡萄酒工房、由布院ワイナリー、綾ワイナリー、ワタリセヴィンヤード)
③個人の情熱(久住ワイナリー、葡萄の家 敬土庵、都城ワイナリー)

【福岡県】

・巨峰ワイン
耳納連山の麓にある自然に囲まれた自然が美しいワイン工場で赤と白の巨峰ワインのほかブルーベリー、イチゴ、甘夏などのフルーツワインを醸造しています。田主丸は巨峰の産地として有名ですが、もともと田主丸に巨峰栽培をひろめたのはワイナリーの母体となる若竹屋酒造の12代当主林田博行・・・昭和32年に巨峰の栽培を開始。昭和47年巨峰農家を支援する形で株式会社巨峰ワイナリーを設立しました。九州では安心院葡萄酒工房と並んでワイナリーとしての歴史が古いワイナリーです。

・ワタリセヴィンヤード
北九州市若松区の若松地区にできたばかりのワイナリーで、現在はメルローやキャンベル・アーリーなど収穫したブドウを、巨峰ワインへ持ち込み委託醸造しているそう。

【長崎県】

・五島ワイナリー(五島コンカナ王国ホテル&リゾート)
2014年オープン、母体は株式会社メモリード五島で栽培した原料ブドウを用いて醸造。島のワイナリーとしては、北海道の奥尻についで日本で二番目です。現在は日本に向いているとされるマスカトベリーAやナイアガラなどの葡萄を栽培しているが、シャルドネ、シラー、プティヴェルドの品種を栽培し、五島の温暖な気候に合うかどうか試している。標高は低め、裏山が300メートルほど。火山性土壌。温暖な気候で海風をブドウが受けて特徴ある風味豊かな葡萄栽培をしているそうです。

【熊本県】

・熊本ワイン
1999年設立。現在九州のワイン産業の中心的な存在になっています。人材育成、農家との連携、土壌管理に力を入れコンクール連続受賞の本格的なワイナリー。地産地消をモットーに熊本産の葡萄にこだわったワインつくりを行っていて現在14か所の契約農家から良質の葡萄を購入。ナイトハーヴェストという気温の低い夜にブドウ収穫を行ったり、非加熱処理を行ってブドウ本来の風味を損なわないフレッシュな味わいをめざしています。

【大分県】

・安心院葡萄酒工房
ワイン作りは1971年からで、安心院葡萄酒工房の開園は2001年。醸造用ブドウ品種の栽培、品種改良を積極的に行い、近代的な醸造設備でさまざまなブドウから新しいチャレンジを試みている。またシャルドネでは国産ワインコンペティションにおいて連続で金賞を受賞。緑あふれる園内には製造所、貯蔵庫、ブドウ畑、試飲ショップ、喫茶コーナーなど見所が満載です

・久住ワイナリー
2002年冬にオーナーと息子さんとでブドウ栽培開始2006年4月ワイナリーオープン。九重連山の素晴らしい景観の中、日本一の広さ5ヘクタールのブドウ畑が広がり、そこでとれたブドウでワインを製造販売しています。ピノノワールが2014年国産ワインコンクールで銅賞をとるなど、今後が楽しみな実力あるワイナリーのひとつです。

・由布院ワイナリー
2001年設立。2009~2011年休館していましたが、新オーナーのもと2012年再開しました。現在はオーストラリアやチリなどのニューワールドから輸入したブドウを醸造したワインが多く、由布院産はサンジョベーゼとソーヴィニヨンブランのみ。再開後は少しずつ地元産の葡萄を増やし、また広いワイナリー設備や駅からすぐ近くという利便性を活かして一般の愛好家が参加できるようなワイナリー運営も行っていきたいとか。再スタートの一歩目を歩みだしたばかりのワイナリーです。

・安心院小さなワイン工房 百笑一喜
葡萄の栽培が盛んな大分県の安心院地域。2010年安心院のブドウ農家が集まって作ったワイナリーでハウスワイン特区第一号です。企業組合「百笑一嬉」は高齢化が進む宇佐市安心院、院内地区を「農業」を通じて活性化させようという有志の会だそう。地元産の葡萄100%でワイン造っています。

・葡萄の家 敬土庵
2012年が初ヴィンテージ。宿泊施設があるが、ブドウ栽培が忙しくなる期間は宿泊の受け入れはできないとのことで宿泊受け入れは11月~3月のみ。ワイン販売は農家へ民泊された方のみという日本で一番小さいと思われるワイン工房。生産本数わずか130本。これからすこしずつ増やしていくそうです

【宮崎県】

・都農ワイン
第三セクターによる。葡萄作りは戦後すぐから、都農町は葡萄生産量県内一を誇る「ブドウの町」で尾鈴連山と日向灘が出会う地。国産ワインコンクールで数々の受賞歴をもつ都農ワインはまた、イギリスの評論家による世界のワイン100選に2度選ばれる日本を代表するワイナリーのひとつに挙げられます。九州ワイン振興の草分け的存在でもあります。

・五ヶ瀬ワイナリー
本町と地域の企業の出資による農畜産物処理加工施設が基盤となり、五ヶ瀬産ブドウを100%使用したワイン作りをしています。

・都城ワイナリー
国内最南端の都城に2004年設立されました。酒屋やコンビニを経営していた山内さんが異業種交流会で「ワイナリーやりたい」と発言したことがきっかけで出資者、出身金があつまった情熱のワイナリーです。霧島山麓の気候が育てるワインは香り高く、優しい風味のワインが作られています。

・綾ワイナリー
南九州で初の本格的な観光ワイン工場。母体は雲海酒造株式会社で、宮崎県産葡萄を中心に国内原料のみでワインを製造しています。非加熱充填法をとるため、できたてのようなフレッシュ、フルーティな味と香り。ヨーロッパ風のワイナリー外観は南仏の小さなワイナリー風で、石窯で焼かれる美味しいピザをいただけるレストランも併設。館内に見学コースもあります。


いかがでしたか?国産ワインといえば山梨や北海道のイメージが強いのですが、九州にも美味しいワインを情熱的に作るワイナリーがたくさんあります。ぜひ、いちど訪ねてみてください。現地でいただくと美味しさもより一層増すことだと思います。




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