ワインを表現するときに「フルボディ」「ライトボディ」と表現することがよくあります。このフルボディ、ライトボディとは何でしょう?今日はワインのボディについてのお話です。

ワインの「重い」「軽い」というのは味わう際の飲みごたえや、厚み、コクに関する表現です。渋みの元となるタンニンやポリフェノール、アルコール分、酸味、甘みなどワインを構成する成分が強いほど重いワイン=フルボディであると表現されます。それらが往々にして軽いのがライトボディ。中間にあたるのが、ミディアムボディ。世界的にはライト嗜好、健康志向が高まり、ワインもアルコール度数の低い軽いものが好まれる傾向にあり、ワインの味わいも昔は重く作っていたワイナリーも最近は軽やかになてきたということはよくあります。が、日本ではまだまだ人気があるのは「フルボディ」の赤ワイン。せっかくお金を払うのなら飲みごたえのある物・・・と感じられるお客様も多いということでしょうか?

しかし、熟成したボルドーのシャトー・マルゴーをフルボディとすべてのお客様が感じられるかと言えば・・・それは飲まれる側のワインに対するイメージや経験と強く関係しています。一般にフランスでいえば、ボルドーのグランクリュや、ローヌのエルミタージュ、ブルゴーニュではシャンベルタンなどが「フルボディ」の枠に入ると思いますが、普段、カリフォルニアの高級赤ワインや、お手頃価格ではチリのカベルネや、アルゼンチンのマルベックをめしあがっているお客様にはフランスのワインは「軽い」と感じられるかもしれません。

ワインは元々、新鮮なブドウを原料にしてつくられます。そんなワインの「重い」「軽い」はいったいどこで決まるのでしょうか?

「重いワイン」の要素

・原料ブドウの糖度、凝縮度
収穫時にしっかり熟成させたブドウは糖度が高く、アルコール度数のしっかり高いワインをつくりだしますし、1本の木からとれるブドウの量を制限すると、ひと房当たりの成分が凝縮し色合いや味わいの強いワインを作ることができます

・アルコール度数が高い
ブドウの糖度はアルコール度数に比例します。糖度が高い=完熟したブドウということを考えると、温暖~乾燥した地域で栽培された葡萄はフルボディになる要素を多く持っています

・木樽を使って熟成させる
新樽を使って熟成させると樽からの渋みや味わいもプラスされ、より重厚な味わいとなります。カリフォルニアのカベルネソーヴィニヨン。オーストラリアのカベルネソーヴィニヨンやシラーズなどがそうです。

「軽いワイン」の要素

・大量生産
葡萄の木1本あたりの収量をおさえず、大量に栽培され、収穫されたブドウから作られるワインは、葡萄一房、一房の成分が軽いのと、完熟していないブドウも含まれるため軽くなる傾向にあります。

・元々の葡萄のポテンシャル
皮が薄い、一粒が大きく、果汁が多いなど渋みの少ないブドウ品種かラ造られたワインも軽くなります。ボジョレーヌーボーでおなじみのガメイなどがそうです。

・アルコール度数が低い
ドイツなど冷涼な気候で作られた赤ワインはブドウの糖度が上がりません。どちらかというと、酸のしっかりした軽やかでさわやかな味わいのワインをつくりだします。寒い地方は軽く、温暖な地方は重いとなるのも判断のひとつです

・ステンレスタンクで熟成
木の樽でなく、ステンレスタンクで熟成させると、ブドウ本来のフレッシュな果実味を前面に出したワインを作り出せます。そういったワインはまた、長く熟成させません。

しかし、重い、軽いは個人の主観におもねる部分も多く、販売元が「フルボディです」とセールスする南イタリアのワインを「軽い」と感じるお客様も多いのもまた事実。一般にしっかりとした渋みと、凝縮された果実味、それに長期熟成を可能にする豊かな酸味が付随しなければ、本当の意味でのワインの「重さ」にはならないかもしれません。そういったワインを作り出すのには大変なコストがかかり、どうしても本物のフルボディはお値段が高くなります。がしかし、実際には「フルボディ」とセールスすれば売れる傾向にあるので、南国の酸はすくないけれど甘い香りのする果実の凝縮感あるフルーティな赤ワインを「フルボディ」と販売するお店も多いように思います。

ですので、フルボディという表現には

・本当に渋い!数年寝かさないと丸くならない頑強な渋みと酸味が伴う男性的なフルボディ
・甘い凝縮した果実の香りがするむせかえるような濃厚なワイン。この場合は渋みや酸味は少なめ

なものと二通りあると思います。前者はお値段が高額で、あわせるお料理は鉄板焼きやステーキ。赤みのお肉料理にトリュフを合わせたような・・・やはり食べごたえのある物後者は、食事に合わせなくてもワインだけで楽しんだり、ハンバーグなど少し気軽なお料理に合わせたり・・・

「フルボディ」と一言で言ってもマーケットや、嗜好の関係で考え方は多様。お店で購入されるときのひとつの参考になれば幸いです。




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