季節が秋から冬へと移り変わるこの時期に増えてくる皮膚の悩みは、『乾燥による皮膚症状』です。今回は、乾燥による皮膚症状とその対策・市販薬の選び方についてお話ししたいと思います。

乾燥による主な皮膚症状には、乾皮症(皮膚表面の皮脂(皮膚のあぶら)が減少することにより皮膚の水分量も減り、皮膚が乾燥した状態。)、皮脂欠乏性湿疹(乾皮症に皮膚のかゆみと炎症が加わり湿疹に至った状態)、貨幣状湿疹(主に皮脂欠乏性湿疹がこじれて慢性化したもの。かゆみが強いのが特徴。)、アトピー性皮膚炎の悪化などがあります。

毎年乾燥の時期になると皮膚がかゆくなり湿疹を繰り返すという方は、皮脂欠乏性湿疹や貨幣状湿疹、アトピー性皮膚炎の悪化かもしれません。皮膚科で一度みてもらうとよいでしょう。

これらの乾燥による皮膚症状の原因は、皮膚の乾燥によって外的刺激から守る皮膚のバリア機能が低下しちょっとした刺激にも過敏に反応してしまうため、かゆみや湿疹を生じやすくなってしまうことにあります。

それでは、続いてそういった皮膚症状を防ぐ&改善するためのポイントをお話します。


1)室内環境を整える:秋冬はとくに暖房やこたつ、電気毛布などの使用でも皮膚の水分が失われ乾燥してしまいます。それらの暖房器具の過剰な使用は避け、加湿器も用いながら湿度を65%は保つようにしましょう

2)睡眠不足に注意;睡眠不足は肌の代謝や皮脂分泌を乱し、皮膚のコンディションを乱します。11月のような季節の変わりめは体力も消耗しやすいので、睡眠はしっかりとるようにしましょう。

3)下着;寒い季節には少々つらい話ですが、防寒用の発熱する下着は、乾燥した皮膚にはあまりよくありません。実はそういった吸湿発熱繊維は、汗などの水分を吸収して発熱する繊維からできていますので、乾燥した状態で着用するとさらに乾燥しかゆみがでることがあります。
使用する時は、保湿剤をたくさん全身にぬってから使用するか、乾燥による湿疹が酷い時には使用を避けた方がのぞましいでしょう。綿素材などの刺激になりにくい、皮膚にやさしい下着を重ね着してもよいでしょう。

4)マスクの着用:顔や鼻の粘膜の乾燥・防寒にはおすすめです。ただしもともと皮膚が弱い人はマスクの刺激でかゆみが出ることもありますので注意してください。

5)入浴方法:保湿効果のある入浴剤を毎日お風呂に入れて入浴することをおすすめします。全身のスキンケアができるのでおすすめです。ただし、浴槽は毎日洗って清潔を保って下さい。入浴後15分がスキンケアのゴールデンタイムと言われています。入浴後は15分以内に全身に保湿効果のあるクリームやオイルをぬるとさらに良いです。

6)からだの洗い方;スポンジ・ナイロンタオルは体を洗うには刺激になるため不必要です。手でやさしく洗ってください。

7)食生活:皮膚が乾燥し炎症を起こしているときは、アルコールや香辛料の入った食品は炎症を悪化させますので摂取のしすぎは要注意です。

8)目元や鼻の粘膜の乾燥;粘膜も皮膚と同じように暖房や湿度の低下で乾燥します。

鼻粘膜の乾燥は前述のマスク着用のみで改善することもあります。また、綿棒でワセリンを鼻腔周囲に塗ることもよいでしょう。
目の周りもアイクリームを使用し、最後にワセリンを使用するとよいでしょう。今は目元用のパックもたくさん売られていますので冬は週1回でも取り入れてあげるといいかもしれません。目元の小じわは乾燥によるものがほとんどですので日頃からのケアが大切です。

続いて、市販薬の選び方です。

保湿剤はたくさんありますので迷ってしまうかもしれませんが、考え方はシンプルイズベストです。
皮膚が硬くなっている、ザラザラ・ガサガサタイプの乾燥には尿素入りがよいでしょう。

乾燥が理由のカサカサタイプには、セラミド入りやワセリンでの油分での保湿をメインにした方がよいでしょう。
例えば、尿素は、天然保湿成分の一つとして、もともと角層内に存在していますが、タンパク質を分解する働きもあります。角質はケラチンというタンパク質なので、角質を分解していく作用が働き、ザラザラ・ガサガサタイプの乾燥には効果を発揮してくれます。ただし、顔や首など皮膚のうすいところに使用するとピリピリすることがあるので注意してください。

一方、セラミドは肌の角層の細胞と細胞の中でスポンジのように水分や油分を抱えこんでいるような存在( 細胞間脂質)です。 セラミドは肌のうるおいを与えるとともにバリア機能(外部からの刺激や細菌の進入を防ぐ働き)を持っているのです。
セラミド含有の市販薬も現在では数多く売られていますが、ノンケミカルタイプの肌にやさしいセラミド保湿剤が、皮膚のカサカサタイプの方にはおすすめです。

ちなみにセラミドにはメラニンの合成を抑えシミを防ぐ美肌効果もあるといわれています。Woman news世代のスキンケアにはぜひ取り入れていただきたいスキンケアの成分です。

また、ワセリンは石油を精製し、純度を高くしたものなので純粋にオイルとして考えていただくといいと思います。尿素やセラミドを使用したあとに、さらに乾燥が強い所にはワセリンを重ねづけするとよいでしょう。

ただし、皮膚の弱い方は事前にパッチテストをすることをおすすめします。


色々とお話ししましたが、皮膚の状態に合わせて保湿剤や炎症をおさせる外用ステロイド剤・かゆみを抑える抗アレルギー薬の内服の使用を適宜組み合わせることが皮膚科のクリニックでは可能です。

乾燥による皮膚症状が気になるときは皮膚科専門の病院を受診することをおすすめします。


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(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)