筆者は、これまで多くの更年期に悩む患者様から相談を受けてきました。更年期の治療には色々な選択肢があるのですが、日本ではホルモン療法に抵抗や不安を持つ患者様が多い傾向にある気がします。更年期は仕方ないものではなく、本当は軽減することができ、うまくコントロールできるものです。今回は、更年期治療について知っていただきたいと思います。

更年期障害の諸症状

更年期障害の代表的症状の一つは、「ホットフラッシュ」です。のぼせやほてりが急激に強くなったり、大量の汗が出たりと自分ではコントロールできない辛い症状です。また、睡眠障害や頭痛、耳鳴り、疲れやすいなど。中には、不安感が強くなりうつ症状が出るケースもあります。

更年期が起きる理由

更年期障害の定義としては、閉経をはさんだ前後約10年間に女性ホルモンの一つであるエストロゲンの量が急激に減少することが原因で不定愁訴が起きます。エストロゲンは、卵巣で作られ子宮の発育を促進し、子宮内膜を厚くします。また、女性らしい体を作り美しさを保つホルモンとも言えます。

脳とエストロゲンはリンクした状態にあり、卵巣が十分に機能している状態でエストロゲンが分泌されると、脳へ信号が送られ、今度は脳が排卵を起こすような性腺刺激ホルモンの信号を卵巣へ送ります。更年期に入ると、そのメカニズムの中でエストロゲンの分泌が低下します。

エストロゲンの分泌が減少すると脳は、エストロゲンを分泌させようと信号を送り続けます。しかし、いくら信号を送っても卵巣の機能が低下し、エストロゲンを十分に出せない状態となっているので、脳はパニック状態に陥ります。脳は、ホルモン分泌のコントロールや自律神経のバランスを調整しているので脳がパニック状態になることによって自律神経も乱れホットフラッシュや様々な不定愁訴が症状となって現れるのです。

女性ホルモンを調べることで早めの対応を

よくイライラや感情の起伏を「更年期だから」を冗談めかして言う場面を見かけますが、それは、まったくナンセンスです。更年期は検査で知ることができるもの。婦人科を受診すると女性ホルモン量を調べることができます。

一般的な女性ホルモン量の検査では、E2値とFSH値、LH値を調べます。E2値とは、エストロゲンの主要成分であるエストラジオール(E2)の量です。エストラジオールが低いということは、エストロゲンの数値が低いということです。その場合には卵巣機能低下が予測されます。

FHS値は、卵胞刺激ホルモン(FHS)の量です。卵胞刺激ホルモンは、脳から分泌されます。エストロゲンの分泌が低下すると多く分泌されるようになるので、FHS値が高いと更年期の可能性があります。

LH値は、黄体形成ホルモン(LH)の量です。黄体形成ホルモンは、脳から分泌されるホルモンのことで、排卵やプロゲステロン分泌を促します。LH値が高いと更年期の可能性が有ります。

更年期の治療法

<ホルモン補充療法:HRT>

HRTとは Hormone Replacement Therapy の略で、減少したエストロゲンを補充する療法です。最近では、HRTで使用される薬には、経口薬、塗布薬、貼付薬と様々な剤形があり、ご自分にあったものを選択できます。副作用は、不正出血、乳房のハリや痛み、おりもの、下腹部のはり、吐き気などがありますが、体が治療になれる1-2ヶ月で消失することが殆どです。

乳がんになるといった情報が独り歩きしたこともありますが、HRTの副作用として乳がんを誘発することはありません。しかし、既往歴等によっては、HRTが適さない場合もありますのでよく医師にご相談ください。

<漢方療法>

HRTと比較すると効果の発現は穏やかです。全身の「血液」「水分」「気」のバランスを改善し整えることで症状を軽減します。

<各症状への対症療法>

更年期でうつ症状や不眠となるケースも多く、症状が深刻な場合は、抗鬱剤や睡眠導入剤で改善を計ります。

<その他>

低用量ピルやプラセンタ注射があります。低用量ピルは、特に40代以降では血栓ができる危険性があるため使用する場合は、慎重な経過観察が必要です。
プラセンタ注射の効果の実感には、個人差もありますが、効果は期待できます。更年期治療でのプラセンタ注射は、保険適用となりますのでコスト的にもお勧めです。

まとめ

現代では、更年期は、我慢するものではありません。婦人科でも更年期治療は積極的に行っていますので、お近くの婦人科で相談することをお勧めします。更年期知らずの年齢とともに輝きを増す女性でいたいですね。

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