歯科医療に用いられる材料や治療器具の発展はめざましく30年前に比べ大きく進化してきました。歯のセラミックの被せものや、それを接着するセメントも性能はバツグンによくなり、また歯科用CTの鮮明度も素晴らし発展を遂げています。他にも、歯科用レーザーの使用により、出血、低侵襲の治療が可能になりました。ホワイトニングや歯の根の中を治療する器具も30年前にはなかった最高品質、最高のクオリティーのものが次々と開発されています。治療時の見えるものを拡大する拡大鏡やマイクロなども多社から出ていて、それらを使用することでより精密でより再発の少ない良い治療を行えるようになってきました。

歯の治療が非常に高いレベル、高い精度でより高品質に行えるようになってきた昨今ですが、残念ながらこれらの治療のほとんどが保険適応外になっているのです。保険治療というのは、行える内容に30年前とほとんど変化がない上に診療報酬自体30年前とほとんど変わらないのが現状です。
保険診療というのはむし歯を削る、詰めものをする、銀歯を被せるといったものに重点が置かれ、予防や最新の治療、最新の器具や接着のセメントの使用の大半が保険適応外となるのです。30年前と同じ価格で歯科治療が受けられることは一見いい話のように聞こえますが本当にそうでしょうか。

歯の治療は高齢化が進み日本の医療費はますます増えていることで、保険診療でできる治療内容が大幅に広がることは今後も期待できません。しかし同時に素晴らしい欧米諸国と同レベㇽの最新の治療を知る機会がなくなっては非常に残念ですし、歯科治療において日本ではまだまだ誤解も多いように感じます。歯科治療は痛いし口を長く開けるのは大変で早く短時間で終わりたいと誰もが思いますが、歯科治療は精密なものであり早い短時間の治療がすべてではありません。


【歯科医が治療を受けない理由】

歯がむし歯になり、銀歯や詰めものをしたところで、残念ながら歯が復活するわけではないことを歯科医師はよく知っています。歯に詰め物をしてもそこがまた再びむし歯になってしまう可能性は低くありません。歯科医がむし歯になても治療を受けないわけではなく、むし歯にならないように非常に気を使い予防に重点を置いた生活をおくっているのです。日々の診療で、歯が健康維持のためにいかに重要かを感じずにはいられません。
定期的に歯のクリーニング、歯石取りを受け、毎日の歯磨きもフロスや歯間ブラシを併用して念入りに行います。体の一部である肝臓や腎臓や目が悪くなり取らなくてはいけないとなったときすごく心配する方は多いでしょうが、歯の場合の重要度はいまだ低いイメージがあります。しかし歯も体の重要な部位であることになんら変わりはないので、死ぬまで大事にしていきたいものです。


【根管治療について】

歯の神経の管の中を治療する、根管治療というものがあります。非常に精密で高度な技術が要求され、時間をかけてするべき治療です。欧米先進諸国では必ず、マイクロスコープや拡大鏡といった視野の拡大の拡大のできる医療機器の使用がありますが、日本ではまだまだ普及が少ないのが現状です。アメリカでは相場15万円と言われる根管治療ですが、日本の保険診療では数百円から数千円です。歯の根の治療は時間がかかって疲れるものですが、治療は早い安いがいいわけではないということです。


【いいセメントが保険で使えない理由】

最近は歯に詰めものや被せものをする際の非常に性能の良いセメントが多数市場に出てきています。歯と強度に接着することで治した部分が再びむし歯になる確率を最小限に抑える事が出来ます。しかし、保険診療ではどんな種類のセメントを使っても一律料金であるため、なかなか最新の高性能なセメントが普及しにくいのです。


【セラミックと銀歯】

歯にいれるセラミック類のすべてが保険適応外で高額な治療になってきています。しかし、セラミックは銀歯に比べ非常に生体になじみがよくアレルギーも起こしにくい有能なものです。保険の銀歯が数千円であるのに比べセラミックを用いた治療が数万円になり費用に大きな差があるため、なかなかセラミックの治療の良さが浸透しにくかったのも事実だと思います。


【予防の意識】

歯がむし歯になったら安く治せばいいというのが古くからの日本の間違った意識です。治療費用が安いことも予防医療が浸透してこなかった原因の一つでしょう。歯がむし歯や歯周病になって歯科医院を訪れる時代から、ならないようにメンテナンスや健診のために歯科医院に通う時代になってきていると言えます。最近は有能な電動歯ブラシも他社から発売されているので、この機に自身の口や歯の健康を見直してみてはいかがでしょうか。




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