日々の生活の中で、どうしてもうまくいかないことや悩みにぶつかることもあります。自分の中だけでは処理できなくなってしまった時、
自分がいけないんだと塞ぎこんでしまう人もいるのではないでしょうか?

今回は、都内のメンタルクリニックで心理カウンセラーとして勤務のかたわら、出張トレーナーとしてメントレメントレサポートを運営されている佐藤久子さんにお話を伺いました。佐藤さんは「マインドフルネス」を活用したメンタルトレーニングを行うなど、多くの人の「」と日々向き合っています。

◆自身の子供時代の経験から「心理」を学ぶ

もともと私自身、小さな頃はメンタル不調者だったと思います。両親にとって初めての子どもということで、非常に愛情を込めて一生懸命に育ててもらいました。しかし、それに対して神経が過敏な子供という組み合わせだったので、力の入った子育てがかえってネックとなり、精神的に不安定でした。不安の塊であったり、警戒心がすごく強かったり。自分や人の失敗を許せず、生きていけないくらいの失敗と捉えてしまって、自虐もありました。

成長するにつれて自分の生きている感覚が極端すぎることに気づき、自然と心理の方向に行きました。例えば、お医者さんが女性の裸を冷静に見られるように、心理を学ぶことで自分の状態や親との関係を冷静に見られるのではないかと思ったのがきっかけです。

◆心が1番ボロボロになった時に「マインドフルネス」と出会う

当時の心理学は「分析」が主流で、分析とは原因探しのようなものです。分析を繰り返す中で、自分の中に残る山積みとなった原因にどうしたら良いのかわからなくなり、何度も諦めようともしました。プライベートでは結婚、出産、離婚、再就職とライフイベントが続き、離婚のゴタゴタ、久しぶりの再就職に鬱とパニック発作を併発してしまって、どうしようもない状態になっていました。

人生の中で心が1番ボロボロになっていた当時、本屋さんで吸い寄せられるように手にとったのがマインドフルネスをベースにしたハコミセラピーの本でした。学び始めるうちに、「こんな技法が世の中にあったのか!」というぐらい、自分の内面が劇的に変わりました。物事の捉え方、人や状況に対する感じ方が変わり、夢中になるうちに私自身がどんどん変化していきました。

他にもゲシュタルトやアドラーなど様々な技法や考え方にも出会いましたが、一番大きく影響を受けたのはやはりハコミセラピーです。マインドフルネスの状態になってから、他のセラピーの技法を用いることで、効果も出やすいことに気づきました。そして今では自分が、マインドフルネスを教えたり、セラピーでお手伝いしたりする立場となりました。

◆「マインドフルネス」はひとつの意識状態

色んな考え方がありますが、マインドフルネスとはひとつの意識状態だと私は思っています。例えば、カメラで写真を撮ると色んなものが写り込みますし、録音をすると雑音もたくさん入っています。その中でも人間はうまくできているもので、自分がフォーカスしたものしか見ていないし、聞こえていないし、憶えていません。

実は人間の感情、感覚も同様で、どんな時でも色んな香りを感じていたり、色んな温度を感じていたり。想像以上にたくさんのことを常に感じていますが、フォーカスすることなく日常を過ごしています。そこで、改めて目を閉じてみると、自分の体の感覚や内面で湧き上がってくる感情や感覚に気付くことができます。これらを丁寧に観察していくのがマインドフルネスという状態です。

更に、マインドフルネスの意識状態をベースとして出てきた、ネガティブな感情、感覚に掘り下げて積極的にアプローチをしていき、出てきたものを自分自身で受け止めていったり、処理をしてデトックスしたり。ポジティブな感情が出てくることもありますから、その時は出てきたものをじっくり味わって、自分の中に根付かせて心の元気が出るようなお手伝いをしています。

◆感情はくしゃみ、鼻水と一緒

ネガティブであろうとポジティブであろうと、感情、感覚というのは自然と感じてしまうものです。マイナスなことを感じてはいけないと頭では思っても、感情はくしゃみや鼻水のように自分でコントロールできるものではありません。無理に押し込めようとしても、「感じている自分の状態はダメだ」という風にかえって落ち込んでしまって、マイナスを繰り返すサイクルになってしまいます。

マイナスの感情、感覚は出てくる必要があって出てきていますし、出たくて出てきていると捉えています。無理矢理押し込めてしまうことや、中途半端に出すのではなく、きちんと出すことで終わりになると考えています。今まで押し込めていたものをマインドフルネスの感情、感覚に飲み込まれない状態でフォーカスしていくことで、ゆっくり終わらせて自分で処理できるようになります。

◆ストレス解消には「デトックス」と「サプリメント」が必要

ストレスの解消、不快な感情の解消というのは、「デトックス」と「サプリメント」の2本立ての方向性で考えていくべきだと思います。ポジティブな感情が出てきた時は、体にゆっくりと感情を染み込ませて、効果的にたっぷり感じていく。いわゆる、いい香りを嗅いだり、おいしいものを食べたり、癒やしのサプリメントの部分です。ネガティブな感情が出てきた時は、「嫌なものは嫌だ」「とても嫌な気持ちだった」ということを吐き出していく。カウンセラーの仕事は、感情の処理を手伝う、ごみ処理のおばちゃんです!(笑)

◆ダメな行動はあってもダメな人間はいない

人は悩んでいるとき、自分のことを責めてしまいがちですが、やってはいけないダメな行動はあっても、ダメな人間は誰ひとりとしていないはずです。例えば、作ったうどんを人に出して「ちょっと、しょっぱいよ。」と言われた時、味付けがダメなだけであって、作った自分自身がダメなわけではありませんよね? うどんの味付けがダメだったのと、うどんを作った自分がダメかどうかは全く別のことだからです。


しかし、人は悩んでいると行動や状況がダメだったのではなく、自分は人間としてダメだと思ってしまいます。それは、かつて失敗した時に、誰かに「ダメな人間」だと見られてしまった経験があるからです。周囲の人から見られた自分への見方を取り入れてしまうことで、自虐的な捉え方が根付いてしまうのです。

それは持って生まれたものではありませんから、マインドフルネスを含めて、自分の捉え方を観察していくこと、受け止めていくことで終わりにできます。私自身も変わることができたので、誰でも変われる! そういう応援をしていければと思います。

◆感情を受け止められる自分が育ち始めている

これからは幅広く色々な方々に、自分の感情を観察することで、感情を自己処理できる方法としてマインドフルネスを伝えていきたいと思います。マインドフルネスを使えば、ある程度の大きさの感情であれば自分でも処理できるようになりますし、いわゆる「気付き」も得ることができます。

個別トレーニングでは、トレーナーである私が一対一で見守りながらリードを取り、ディープなものに触れてマインドを変えていくトレーニングを行っていますが、一人でも自宅でできるようになる指導も必ず行います。指導した方は、比較的簡単に自宅でもセルフトレーニングをされています。このセルフトレーニングが感情観察法としてのマインドフルネスです。簡単にできるものですから、名前ほど難しいものではありません(笑)気軽に自分でできるストレス解消法だと思ってください。

マイナスの感情や違和感が出てくるということは、すでにその感情を受け止められる自分が育ち始めていることになります。自分の内面に出会っていくというのは、マイナスの感情であっても終わりにできるだけの自分が大きくなってきている証拠です。そこを見失わずにお手伝いしていくのが私の仕事です。

「私が悩みを抱える方の前でも揺らがないでいられるのは、自分自身が乗り越えてきた体験があるから」「人は自分が乗り越えたところは確実にサポートできる」と語る佐藤さんは、ご自身の変化の経験から「相手が変わろうとしている力にフォーカスしてお話を聞く」ことができるのだそうです。「人間成長という意味では、人は前にしか進まない」からこそ「必ず次のステージが用意されている」と「信頼して見守ることができる」。そして、「自分がどんどん人として成長していかなければいけないので厳しい仕事」とはしながらも、「目の前の方の変化を通して感動と喜びを味わえる仕事は私にとって他にはない」とお話してくださいました。

電話カウンセリング・出張相談ならメントレサポート
http://www.mentore-support.com/
佐藤さんの詳しい情報はこちら
http://www.mentore-support.com/contents/contents.asp?id=1910





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