頭の片側がドクン、ドクンと脈打つように痛む片頭痛。いつも市販薬で抑えているという方が多いのではないでしょうか。片頭痛は20~40代の女性に多くみられる病気です。この年代の女性といえば、学生から社会人になったり、結婚、出産、育児があったりと、人生の中で最も多忙といえます。

そのため、手っ取り早く市販の鎮痛薬を服用しがちですが、最近は「薬物乱用頭痛」と呼ばれる状態に陥っているケースも増えています。これは、頭痛を止める薬を過剰に用いることが原因となって、頭痛が起きる日数が増えたり、痛みの強度が増したりする状態。市販薬の過剰服用から陥る症例も少なからずあり、注意が必要です。

片頭痛は女性にとって、生活の質を大きく損ないかねない病気です。しかし、いつものことと軽く考えて一時しのぎにされやすい病気といわれています。日常生活に支障がある場合は、我慢しないで病院で治療を受けてきちんと対処しましょう。

◆頭痛を引き起こすメカニズム

頭部の血管が拡張し、炎症を起こして痛みが発生するのが片頭痛ですが、その発生の原因には幾つかの説があります。ここでは一般的によく知られている2つの説をご紹介します。

・血管説

頭部の血管が拡張することによって頭痛が起こると考える説です。血小板からのセロトニン(血管を収縮させる作用を持つ)が放出されるため一旦脳の血管が収縮します。その後、時間の経過とともにセロトニンが分解されていき減少することによって一度収縮した血管が逆に拡張するために頭痛が起こるというものです。

・三叉神経血管説

脳神経の中で最も大きい三叉神経(顔面周辺の感覚をつかさどる)が関与しているという説です。何らかの刺激によって三叉神経が刺激されることにより、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつ様々な神経伝達物質が分泌されます。それらの働きで拡張した血管や、それによって発生した炎症が神経を刺激して痛みが起こるというものです。

◆片頭痛の症状

片頭痛は、頭の片側または両側が脈打つようにズキンズキンと痛む病気です。 月に1~2度とか、週に1~2度の頻度で発作的に起こるのが特徴で、いったん痛み出すと寝込んでしまう、仕事が手につかないなど、多くの方が日常生活に支障をきたします。吐き気や嘔吐を伴うことが多く、また普段はなんでもないような光や音に対して過敏になる、といった随伴症状がみられることもあります。

しかし、痛みがおさまると健康な人と全く同じように生活や行動ができますし、片頭痛自体が命にかかわることはありません。ストレスのある状態を続けたあと、一段落してホッとしたとき(休日など)にも頭痛が起こります。頭痛は数時間程度のこともあれば、3日間くらい続くこともあります。

◆片頭痛の前兆

片頭痛は、痛みの起こる直前に「前兆」を伴うタイプと、伴わないタイプに分類できます。最も多い前兆は「閃輝暗点」とよばれる症状で、以下のものがあります。

・目の前で光がチカチカする
・視野の一部に歯車のようなギザギザしたものが現れる
・視界が欠ける

症状は一般に5~60分程度続き、それが終わって60分以内に激しい痛みに襲われます。それ以外の前兆としては、手足がしびれる、しゃべりにくくなる、といった症状などもみられます。 もっとも、前兆を伴わない片頭痛のほうが多く、同じ人でも前兆がいつも現れるわけではありません。

◆片頭痛の予兆

前兆を伴わない片頭痛でも、「なんとなく頭痛がきそうだ」という漠然とした予感を感じることがあります。具体的には、以下の状態があります。

・だるい
・気分がよくない
・イライラする
・食欲が通常以上に出る
・体がむくむ
・甘いものを無性に食べたくなる
・眠気を感じる

そのあとに頭痛が起こるケースです。こうした漠然とした症状については「予兆」とよんで、前兆とは区別しています。

◆片頭痛の治療

片頭痛の治療は、症状が軽い場合は鎮痛作用のあるアセトアミノフェンや非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が用いられますが、治療薬の中心はトリプタンの飲み薬です。片頭痛のおもな原因は、先に述べたようにCGRPの過剰放出ですが、トリプタンにはこれを抑制する作用があり、服用すると約30分で効果が現れます。吐き気が強くて内服できない場合は、点鼻薬や自己注射薬が用いられます。

また、頭痛を起きにくくする予防薬もあります。これは、片頭痛の頻度が多くて日常生活に支障がある場合に、片頭痛が起きる日数や回数を半分以下に抑えることを目標に用いられます。薬はカルシウム拮抗薬、抗てんかん薬、β遮断薬の3つが保険適用になっています。予防薬を治療に用いることで片頭痛のピークの痛みが減り、トリプタンの効きめがよくなるということもメリットです。心配な症状が続くようであれば一刻も早く専門医の治療を受けることをおすすめします!



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