最近、DNA・遺伝子治療など様々ニュースを見たり聞いたりすることが多くなってきています。DNAは個人を特定する固有の様々な情報を保有している。これらの情報を活用し、遺伝子診断を行うことが今後歯科治療にも影響を与えると期待されています。しかし、一方では利点だけでなく懸念する点もあるため、慎重に取り入れていく必要があります。



【DNAってどうやって採取するの?】
では、DNAはどのように採取すればよいのでしょうか。被験者の細胞を採取するため、血液採取など様々あるが、これらは被験者の負担がとても大きい。また、髪の毛や皮膚から採取するシーンを刑事ドラマなどでも使われています。実は、もっと簡単にかつ痛くなく採取をすることができる箇所が身体で存在します。それは、口腔の粘膜及び舌です。舌の表面をスプーンや歯ブラシなどで数回ゴシゴシとこすれば簡単にDNA採取が可能なのです。舌を歯ブラシでこするだけの細胞摂取は負担が少なくとても簡単であり短時間で行えます。また、歯ブラシを使用することで歯科として容易に扱える点などが言えます。では、遺伝子診断利点・欠点をすこし考えてみたいと思います。




【遺伝子診断の利点】
遺伝子診断の利点とも言える医療で、オーダーメイド医療というものがあります。これまで医療は疾患中心であり、疾患の原因を探索したり、その治療法を開発することが主な目的でした。しかし疾患の状態は個々人で千差万別であり、同じ病気であっても同じ治療法を適用することが必ずしも正しくないことは以前より知られてきました。しかし一方でそのような治療効果の個人差は治療とその効果を観察しなければ分からないものであり、個々人に最適な治療計画を行うことは困難でした。


一方、アメリカが主導で動いていましたDNAの解析プロジェクト“ヒトゲノム計画”による個人で異なる量の情報を瞬時に取得・解析できる技術の発達により、ある個人が他人とどのように異なるかを観測できるようになってきました。そこでこれらの情報を利用して、ある患者個人に最適な治療方法を計画することをオーダーメイド医療といいます。具体的には、ある治療薬がその患者に有効であるかどうか、あるいは投薬量や副作用について見積もることができます。どの治療薬を用いるのが正しいか、どの程度の投与を行うかと行ったことが分かるようになると期待されているため、医師の経験に頼っていた部分が少なくなり、医療事故などの軽減、さらなる長生きにもつながる可能性が考えられます。そして、遺伝性疾患をもっている患者と考えたとき、その疾患の原因遺伝子が分かっている場合は遺伝子を調べることで、その病気であるかどうかをはっきりさせることができます。はっきりさせることにより、その病気に合った適切な治療や対策を講じることができます。遺伝子は両親から子へ受け継ぐため、兄弟姉妹で共通の遺伝子変異をもつこともしばしばあります。家族のうちの一人の遺伝子検査を行って遺伝子変異が明らかになったとき、家族の他のメンバーが同じ変異を持っている可能性もでてきます。これらの可能性についても十分に遺伝カウンセリングで説明を受けて、先天性の異常など、かかりやすい病変をあらかじめ把握しておくことで、将来かかりやすい病気の予防や治療が可能となると考えられます。



【遺伝子診断の欠点】
遺伝子治療が進んでいるアメリカで、実際に起こった事例です。遺伝子治療を受けて、「将来乳ガンになる可能性が高い」と指摘された婦人が、乳ガンに対する強迫観念を捨てきれず、病気が発症する前に、自分の乳房を切り落としてしまった。さらに、この女性の娘が、自分の遺伝子を引き継いでいるため、「乳ガンになる可能性があるのでは」という強迫観念に襲われ、「あなたも乳房を切った方がいい」とまでエスカレートしました。更にこの遺伝子診断が行き着く先には、遺伝子差別という大きな問題を含んでいると考えらえます。例えば、結婚前に男女が、エイズなどの検査を互いに受けるのは最近では普通ですが、これがエスカレートし、遺伝子診断を受けるということになった場合どうでしょう?遺伝子の状態が良好でないので、結婚できないという事が起こる可能性がります。また、保険会社などへの加入の制限や、遺伝子の状態により価格が変動する可能性も出てきます。




このようにDNAを活用した遺伝子診断は人間それぞれの情報に沿った正しい選択をしてくれる可能性がある一方、情報が過度なプライベートな情報であるがゆえに取り扱いを間違うと大きな問題に発展する可能性があります。今後も研究が進み、期待ばかり膨らみますが、利点と欠点は必ずありますので冷静に考えてみる必要があるかもしれません。

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