風邪などでご自身に処方された薬を飲みきらず残していた時にご家族や友人が同じような症状で辛そう。。。つい、「この薬で治ったよ。効くよ、飲む?」などと言ってしまった経験ありませんか? 親切心からだというのは分かります。しかし、自分が飲んでいた処方薬を人にあげるのは、危険なんです。では、なぜ危険なのかのついてお話しいたします。


<処方薬を人にあげてはいけない理由>

1.危険な薬物アレルギーが起きるかも!?
服用した薬でアレルギー反応をおこす可能性があります。最も怖いのは、アナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックとは、薬の服用後5~30分以内に起きる急性のアレルギー反応です。アナフィラキシーショックにより全身にアレルギー反応が現れ、蕁麻疹やかゆみなどの皮膚症状、吐き気や腹痛などの消化器症状の他、意識の混濁、喉や気道も腫れることによる呼吸困難、急激な血圧低下などで死に至る事もあります。アナフィラキシーショックは、一刻一秒を争う事態なので速やかに適切な処置を受ける必要があります。自分が処方された薬を服用した人がアナフィラキシーショックをおこす可能性があると考えたら怖いですね。また、時間が経過してから、胃腸障害、肝障害や腎障害など予期せぬ副作用で健康を害することもあります。たとえ家族でもアレルギーや体質は、個人によって違います。

2.副作用や症状の悪化を招くことも
薬に副作用が出る可能性がありますが、この副作用がでる可能性は、人それぞれ異なります。せっかくの善意で自分の処方された薬を人にあげたのに重い副作用や症状の悪化を招いた場合、やはり、譲った側の責任は重いものになるでしょう。

3.同じ症状に見えても原因は人それぞれ
同じ症状でも、違う病気のこともあります。また、同じ病気でも原因が違う場合もあります。処方薬は、医師が診察し、病状、体質なども含め、治療のために処方された薬です。たとえ、同じ症状にみえても、他の人に適した薬か分かりません。薬剤師として皆様には、ご自分が処方された薬を他人にあげることはしないようにお願いいたします。


<向精神薬の場合は、あげることももらうことも絶対にタブーです>

向精神薬については、人にあげることも、人からもらうこともしてはいけません。薬局は、向精神薬小売業者の免許の交付を受けています。精神薬については、薬事法で厳しく規制されおり、「 麻薬及び向精神薬取締法の50条の16、17」の中で「向精神薬小売業者は、向精神薬処方箋を所持するもの以外の者に向精神薬を譲り渡してはならない 」と明記されています。

また、薬局は、次の場合以外は向精神薬を譲渡してはいけないとされています。

*向精神薬処方箋を持つ者

*病院、診療所、向精神薬卸売業者、向精神薬小売業者・・・に譲り渡す場合

*船舶内に備え付けられる向精神薬を船長の発給する向精神薬の購入に関する証明書と引き換えに船舶所有者に譲り渡す場合

*救急の用に供する目的で航空機に装備される向精神薬を航空運送事業を経営するものに譲り渡す場合

*向精神薬卸売業者から譲り受けた向精神薬を返品する場合

*災害時に使用されるために備蓄される向精神薬を地方公共団体の長に譲り渡す場合

*薬局を廃止した場合など、その所有する向精神薬を50日以内に向精神薬取扱者に譲り渡す場合言い換えると薬局は、 向精神薬が記載された処方箋を持ってくる患者さんと、病院、診療所、卸問屋、薬局にのみ譲り渡すことができるということです。


<向精神薬を人にあげたら罪なる!?>

前述したように向精神薬の譲渡に関して薬事法で厳しく規制されており、もしも、自分が処方された睡眠薬などを人にあげるという行為は、罪になりますので絶対にしてはいけません。また、自分が友人などから睡眠薬などを受け取ってしまっても罪になります。


<まとめ>

処方薬を人に譲ったために副作用などの健康被害が出てしまうとその後の友人関係などにも大きく影を落としてしまいます。また、向精神薬を人に譲り健康被害ばかりでなく罪に問われる可能性もありますので、処方薬を人に譲ることは、絶対にしてはいけません。



pills-926375_960_720

(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)