様々な皮膚炎に使われる「ステロイド外用剤」ですが、「STEROIDO PHOBIA(ステロイド恐怖症」という言葉があるほどステロイドが怖い薬と思っている人は多いのです。筆者も多くの患者様から「ステロイドって使いたくない!副作用が怖い!」と相談を受けた経験があります。しかし、ステロイド外用剤は、正しく使用すれば、とても良い薬なのです。

◆ステロイドって何?

「ステロイド」は、私たちの体の中で毎日作られているホルモンで、正式には「ステロイドホルモン」と呼びます。「ステロイドホルモン」には、男性ホルモン、女性ホルモン、副腎皮質ホルモンがあり、薬の「ステロイド」は、「副腎皮質ホルモン」から作られています。体の中のステロイドホルモンは、血圧や血糖値の調整や生命の維持のためのいろいろな役割を担っています。
今回、フォーカスする「ステロイド外用剤」は、「副腎皮質ホルモン」から作られた軟膏、クリーム、ローションなどの「塗り薬」で「抗炎症作用」「局所の抗アレルギー作用」があります。

◆ステロイドは、強さによって5段階に分類される

「ステロイド外用剤」は、5段階の強さに分類することができます。「使用する部位・皮膚の薄さ・症状」によって吸収され易さが違うため、適正に使い分けることが必要です。
Strongest(最強)、Very strong(とても強い)、Strong(強い)に分類されるものは、主に首から下の皮膚が厚い体幹・四肢に使用し、Medium(中間)、Week(弱い)は、皮膚の薄い顔・首・陰部に使用します。Strongest(最強)は、副作用も出やすいので、非常に炎症の強い症状に限って、期間を限定して使うことが好ましいです。また、乳幼児の場合は、皮膚が薄いためMedium(中間)、Week(弱い)を使用します。

使用にあたり注意が必要なことは、「ステロイド」には、「免疫抑制作用」があり、菌やウィルスの感染による皮膚症状に使用すると免疫が抑制され一気に菌やウィルスが増殖し悪化してしまうという点です。帯状疱疹やヘルペス、水疱瘡、手足口病、とびひ、カンジダ症皮膚炎、水虫などで使用すると症状が悪化してしまいます。

◆ステロイドに対する誤解や先入観

ステロイドによる治療が進む歴史の中で1990年代にマスコミによる「ステロイドバッシング」があり,ステロイドについての副作用、長期使用に伴う弊害などが過大アナウンスされました。その中に「脱ステロイド療法」を勧めるような内容もあったことから根拠のない民間療法などが氾濫したという過去があります。そのような背景が、「ステロイドは怖い・使いたくない」といったイメージを先行させた一因になっています。

◆ステロイドの副作用

ステロイドを怖い薬をイメージさせるもう一つの原因は、副作用に関しての誤解がありますので「ステロイド外用剤」の副作用について説明いたします。
まず、ステロイドの内服や注射などによる全身投与による副作用との混合を避けていただきたいと思います。ステロイドの副作用というと骨粗鬆症、満月様顔貌、肥満傾向などがよく知られていると思いますが、これらは全身性の副作用です。医師の指示通りに正しく「ステロイド外用剤」を使用した場合には、全身症状の心配はありません。

「ステロイド外用剤」の副作用は長期の使用により、皮膚が赤くなったり、皮膚が薄くなり血管が透けて見えることがあります。また、顔の症状での使用に伴い、ニキビ症状が出現することや悪化することがあります。このほか、強いステロイドを使用した際に皮膚が白くなるようなことがありますが、ほとんどの場合は、使用の中止に伴い改善するので心配はありません。
副作用には、個人差があることも事実ですが、多くの場合は、皮膚炎等に一定期間、ステロイド外用剤の使用をしても医師の指示通りに使用していれば、重篤な副作用は、ほとんどないと言えます。

◆ステロイド外用剤の正しい使い方

たくさん塗れば効果があるといわけではなく、「適正使用量」というものがあります。
ステロイド外用剤に関わらず、軟膏の塗布量については1FTU(ワンフィンガーチップユニット)という目安があります。人差指の第一関節部分にチューブから絞り出した軟膏(約0.5g)を手のひら2枚分の範囲に塗りひろげるのが適切な量です。
保湿剤と併用する場合は保湿剤を先に塗り、その後、ステロイド外用剤を症状がある部位に重ねて塗ってください。ステロイ外用剤をぬった後に保湿剤を重ねると、ステロイド外用剤が患部以外にも広がってしまうことがあります。ステロイド外用剤は、患部のみに使用することが好ましいです。

◆まとめ

正しく使用すればステロイド外用剤は、優れた効果のある薬です。 アトピーやアレルギーなど様々な原因で起きる皮膚炎は、症状を悪化さないことが大切です。そのためにもステロイド外用剤の作用をよく理解し、医師・薬剤師の指に従い有効に使用していただきたいと思います。

澄肌漢方堂

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