2013年に、篠塚ゆきとしてCD全国デビューをさせて頂いてからプロ歌手として歌のお仕事をさせて頂いております。それでもやはり、音楽の世界は本当に奥が深く、学ぶべきことはまだまだ山積みで、毎日何から何までお勉強中です。わたしと一緒に名曲たちを学び、人生を豊かにしていいましょう。


まず、今回のテーマは“On Green Dolphin Street”というジャズの名曲から。

この曲は、1947年MGM製作映画“Green Dolphin Street”(邦題:大地は怒る)の挿入歌として、ポーランド出身のブロニスロー・ケイパー(1902~1983)が作曲した。ただし、この時はまだ歌詞がつけられておらず、チャールズ・プレヴィンが指揮したのであろう器楽演奏で使われています。

この映画は、ラタ・ターナーとドナ・リード主演で、MGMが募集した20万ドル懸賞小説の当選作となった女流作家エリザベス・ガッジの作品”Green Dolphin Country”(1944)を原作とし、Green Dolphinとは、英仏海峡に面したイギリスの小さな町で、そこに住む旧家の姉妹と、イギリスの元海兵である一人の男の恋物語を描いたものであった。邦題が「台地は怒る」となっているのは、劇中舞台をニュージーランドに移した時に、主人公が大地震に遭遇し、それが重要なプロットになっていることから。地震のシーンが有名で、ストーリーよりもそちらが売りになったかららしい。同年アカデミー特殊効果賞を得ている。

最初の録音は、1947年「ジミー・ドーシー・オーケストラ」。映画のタイトルの頭に何故か”On”が付けられていて曲名は“On Green Dolphin Street”と、なっている。後にネッド・ワシントン(1901~1976)が歌詞を付け、ヴァースで「まるで夢のようだけれど 実際に起こったことなの 男はキスをして別れを告げた ロマンスがテーマで 私たちはただそれを演じただけだった それを考えるとため息がでる・・」とある。

コーラスでは、「ある素晴らしい日のことだ 私の心に留まるつもりで恋がやってきた 舞台はグリーンドルフィン通り 忘れることのできない思い出の舞台 そしてそんな時は去り 思い出が私の心に生き続けている その愛を思い出す時 私はグリーンドルフィンストリートの大地にキスがしたくなる・・」と歌われている。

儚い恋の思い出をそっと語る、切なくそしてロマンチックな名曲だ。歌詞としては1コーラスぶんしかなく、短いほうだが。その短い歌詞の中に、きゅっと恋の切なさが大切なラブレターのように詰め込まれていて、感銘を受ける。この曲の歌詞を初めてちゃんと読んだとき、私にはある記憶が鮮やかに蘇った。2度と手に入らないけれど、忘れられない大切な思い出。普段、誰に語ることもなく、胸の中にしまってある大切な魔法のような記憶。

そんな、この上なく情熱的で、それでいて一瞬の夢のような儚さを持つ恋愛を経験したことがある人には、胸を打つ切ない詩だ。何ともいえない共感と共に追憶を辿るだろう。ボーカルでは、1957年にチェット・ベイカー、1961年にジョージ・シェアリングのクインテッドでナンシー・ウィルソンやマーク・マーフィーが。1962年にはサラ・ボーン、メル・トーメ、1964年にトニーベネットがヴァースのみを歌い、1968年と83年にエラフィッツ・ジェラルド、他、沢山の歌手が歌った。


上記の他にも、劇場用長編劇映画で取り上げられた例がある。
1970年制作、ジョージ・ケネディ、アン・ジャクソン主演の「Zig Zag」(本邦未公開)では、これに出演したアニタ・オデイがスクリーンで歌った。
2001年制作の、ローバート・デニーロ、アンジェラ・バセット主演の「The Score」(邦題:スコア)では、これに特別出演したカサンドラ・ウィルソンがスクリーンで歌った。

他方、これはモダンジャズの器楽演奏で盛んに素材にされていて、スタンダードジャズとしての認知をじわじわと獲得していった。1957年にバーニー・バッセル(gu.)がトリオで演奏し、1958年にマイルス・デイヴィス(tp.)のセクステット、1959年ビル・エヴァンス(pf.)のトリオ、1960年ジョン・コルトレーン(tn-sx.)のカルテット、セルジオ・メンデス(pf.)のクインテット、1961年オスカー・ピーターソン(pf.)はトリオで、ソニー・クラーク(pf.)もトリオ、ウェス・モンゴメリー(gu.)はカルテットで演奏、1975年クインテッドでバリー・ハリス 他、多くの名盤が残されている。数々の名盤の中、あなたの気に入る演奏がみつかりますように。

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(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)