ヨーロッパの曲が続いたので、今回はアメリカの曲を選んでみました。今回は、“His eye is on the Sparrow”日本語のタイトルでは、「一羽の雀」または、「主の慈悲は雀にも」。私はクリスチャンではないけども、ゴスペルには素晴らしい曲が沢山ありますね。



1905年にゴスペル・ライターのシビラ・マーティン(1866~1948)が作詞、チャールズ・ゲイブリルが作曲した讃美歌である。作者の二人は白人だが、この歌は今日ではアフリカ系アメリカ人の多い教会の礼拝でよく歌われるようになった。

ある時、作詞のマーティン夫人は、夫と共にドゥーリトル夫妻を訪れた。この夫妻は、それぞれに寝たきりと車いすの生活を余儀なくされてながら、それにめげず明るく生きていた。マーティン夫人が「どうしてそんなに明るく生きられるの?」と尋ねると、聖書の言葉に由来して「イエス様の眼は雀に注がれています。そして私たちにも・・」(His eye is on the sparrow, and I know He watches me)と返って来た答えに感動して作られたと言われています。


1950年代に入って、ブルース・シンガーがこれを取り上げるようになり、1951年にマヘリア・ジャクソンがカヴァーした。

そして、1952年制作、カーソン・マッカラーズの小説および戯曲”The Member of the Wedding”「結婚式のメンバー」(1964)を原作とし、ジョージアの小さな町を舞台に、黒人の家政婦が見守る中、12歳の主人公が子供時代から大人の世界へ至るまでの少女の成長物語。小説と同名の映画”The Member of the Wedding”(本邦:未公開)で取り上げられ、スクリーンで主演したエセル・ウォーターズが子供たちと共に歌った。以降、エセル・ウォーターズはこの曲を最も得意な持ち歌とすると共に、この曲名をジャーナリストのチャールズ・サミュエルスに書いてもらった自叙伝のタイトルにしている。


エセル・ウォーターズは、黒人スラム街に育ち、5歳から教会で歌い、悲惨な経験を克服してジャズ歌手として成功し、”Am I Blue?”(1929)や、”Stormy Weather”(1933)など沢山の名唱を残し、女優としても活躍した。彼女は有名になった後もおごらず、晩年は宗教活動に重きを置いて専ら霊歌を歌った。


この曲には3番まで歌詞があり、神への信頼と感謝を歌っている。

「なぜ、私は落ち込んだ気分になってしまうのだろう なぜ私の周りに暗雲が立ち込めるのか なぜ私のこころは孤独で 天国をそして安住の地を待ち望むのだろう 神が私の一部であるならば 神は私にとって変わらぬ友 神の眼は雀にさえも注がれ 私のことも見守って下さる 私は幸せだから歌う 私は自由だから歌う 神の眼は雀にさえ注がれ 私を見守ってくれる・・」と、どんなに小さな存在も神に愛されているのだと歌う曲だ。



この歌は、多くのゴスペルシンガーが取り上げたのは勿論だが、メジャーボーカリストでは、1958年に鳥がらみの曲ばかりを集めたカーメン・マクレエのアルバムや、1968年にマーヴィン・ゲイ、1984年にジョージ・アダムス、1993年には、ウーピー・ゴールドバーク主演のミュージカル・コメディ映画”Sister Act”(天使にラブソングを)の続編である、”Sister Act 2 ”(天使にラブソングを2)で、主演を務めたローリン・ヒルと、タニア・ブラウントがデュエットで歌っている。私が初めてこの曲を聴いたのがこの映画で、それはそれは感動したのを覚えている。この映画がきっかけで、ローリン・ヒルに憧れて私は歌いだしたのだ。ちゃんとした洗礼は受けていないのだが、この影響で私はキリスト教の高等学校に通い、聖書を読み、讃美歌を歌ってそれらの勉強をした。私には大きなきっかけの映画だ。この映画については、また他の機会にしっかり書こうと想う。



他にも、1997年にアンディ・グリフィン、2001年にジェシカ・シンプソン、2004年にパティ・ラベル、2009年にマイケル・ジャクソンの葬儀で歌ったグラディス・ナイト、2012年にホイットニー・ヒューストンが”Sparkle”という映画で歌った。この映画は、「モータウン」全盛期のデトロイトを舞台に、スターを夢見る3姉妹とその母親の運命や家族の絆を描いている。これがホイットニー・ヒューストンの遺作となり、この頃の晩年の彼女を「以前のようなパワフルさがない」だとか、「全盛期と違っている」なんて言う人もいるが・・。違って当たり前だろうに、と私は想う。誰だって年を取れば歌い方も声も変わる、当たり前のことだ。それに、そんなことを言うならこの映画 ”Sparkle”での彼女のこの”His eye is on the Sparrow”を聴くべきだ。彼女のこの歌は本当に胸にしみる。パワフルさ?全盛期?そんなモノは関係なく、あれだけの名曲を残した彼女の、最後の魂の歌唱だ。

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