電車や街中で、小さい赤ちゃんを抱いたお母さんが全身真っ黒な洋服を着たりしていると、私は不安に駆られます。あの子は大丈夫だろうか、健康でいられるだろうか、と。そもそも、赤ちゃんを真っ黒な布でくるむお母さんはそうそう居ないとは思います。大体優しい白か、ピンク、黄色、薄い水色などですよね。そうであって欲しいです。


もともと、黒い服があまり好きでない私ですが、赤ちゃんや小さいお子様の居るお母さんには、なるべく優しい色を身に着けていて欲しいな、と願うのです。小さい子供は大人以上に色から受ける影響が大きく、感情が左右されやすいものですので。



≪絵の色で子どもの心理をさぐる≫
まず、小さい子ども達は自分のしたいことや大人にして欲しいと想うことを、うまく言葉で表現できません。見た目はおとなしく素直なお子さんが、実は大人の顔色を伺いながら自分の感情を抑えて我慢していることがあるのです。 

子どもが何気なく選ぶ色や、描く絵の色づかいには、言葉にならない気持ちや体調がよく反映されています。お母さんには、お子さんの絵を、どんな色を使っているのかという見方で(塗り方や絵の意味などからも読み取る方法はあります)、心や体の状態を読み取ってあげて欲しいのです。


カラーセラピーはひとことで言うと色彩療法。色彩心理学を応用して心身の状態に気づき、より良い方向へと改善していくものです。「色」は本当に正直で、本人が全く気づいていない心の中や体の調子が、選ぶ色によって自然と表れてくるのです。


それでは、子どもの使った色に、どのような欲求や心理状態が隠れているのかを考えながら、一例をあげてみましょう。


【赤】
元気いっぱいで活動的。心身ともに健全です。ただし、塗り方が荒っぽかったり、黒と同時に使われたりすると愛情の不満や自己主張を表します。


【ピンク】
幸せな時に表れる色。人に対しても優しい気持ちになっています。好きな子がいる時にも、よく選ぶ色です。


【黄】
楽しくウキウキする時に選びます。また、「こっちを見て!」という自己アピールの色でもあります。甘えたい、愛されたいという願望が強い時にもでてきます。 


【緑】
おだやかな性格のお子さんが多い。または、のんびりとマイペースでいたい時。ふだん活発なお子さんが、やたら緑色を塗る時は、体が疲れている時や、休みたい時。


【青】
青を好むお子さんは、物静かで集中力があります。「お兄ちゃん、お姉ちゃんらしくしなくちゃ」という自立心を表す色でもあります。気持ちがめいっている時、眠い時にも表れます。


【水色】
素直で従順なお子さんが選びやすい色。やさしさとともに、淋しさやものたりなさを感じている時にも出ます。


【紫】
精神的なショックがあった時や病気の時に無意識のうちに紫を選んで癒(いや)そうとすることがあります。原因が何かを探して、優しく包み込んであげましょう。


【白】
正義感の強い子、完全癖、神経質な子が選ぶことが多い。また、失敗を恐れて自信を無くしている時、気分を変えたい時にも表れる色です。


【黒】
恐怖、不安、発散できずに抑えられた感情を表します。お絵かきでお子さんが電車、自動車、船などの乗り物を黒く塗りつぶしたら要注意。乗り物は母親を象徴しています。お子さんは、おかあさんが怖くて萎縮しています。



子どもの絵は、感情のはけ口、心の表現だ、と思ってください。子どもの描く形や色が正しくないという見方は、子どもの心理からすると違っています。大人の表面的な見方は、子どもの心を傷つけます。子どもが描く絵の意味の真相真意を理解しようとしながら、子供の自信や才能を、そして心を一緒に育ててゆきましょう。

子どもの意志や一人一人の思いを大切に、子どもの心をより深く知ろうとする保育者、教育者は、1歳6ヶ月ぐらいの幼児から筆と不透明水彩絵の具を使わせています。太い筆と水を使う絵の具の色は、子どもの心を刺激し、楽しく生き生きと自分の思いを表現するのに適していることを知っているためです。



保育園や幼稚園では、絵の具を用意し始めれば、たちまち周りに子どもたちが集まって来て描き始めます。それを見ていると絵の具と筆を使うということが、いかに子どもたちが絵を描くのに適しているのかが解かります。子どもが一枚の絵を描こうとするとき、どの紙を選び、何色を使って描くか、判断や決断という本人しかできないたくさんの重要な精神活動と創造力が働いています。もちろん、無意識の活動です。そういった無意識の精神活動がいかに重要なものであるか。子どもの絵から子どもの心を知ろうとする大人たちには、その重要性がずい分前から認識されてきました。

子どもの絵の中には、母親や父親との関係、まわりを取り巻く生活環境などが見出されます。それ故に、子どもの絵は、ものを描いているのではなく、「心」を「感情」で描いているので、「何を描いたの?」という問いかけは、4歳くらいまでの子どもにとっては迷惑を通り越して害になると言っても過言ではないでしょう。しかし、子どもの方から自分の描いた絵について話してきたときは、何よりも大切に、その話を十分聞いてあげることが、子どもの心を育てることになっていくのです。



あなたのお子様は、どんな絵を描きますか?何色をよく使いますか?ただの子供の好みとしてではなく、その子が心に宿しているもの、真に欲しているものをよく読みとって理解をし、優しい心で包み込んであげましょう。

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