小中学生の女の子をお持ちの親御さんであれば、ロックバンド『SEKAI NO OWARI』を知らない方は、まずいらっしゃらないのではないでしょうか。ギター2本とピアノとDJという、ドラムスやベースといったリズムキーパーがいない変則的な楽器編成でありながら、その独特の世界観とバンド名の中に「NO WAR」と「INORI」が隠れているというロック本来の“反戦”の思想を持ったその4人組は、2010年のインディーズデビューからあっという間にわが国を代表するバンドへと駆け上がりました。特に、小中学生の女の子からの人気は絶大なものがあり、「子どもたちが素直に親しめるロック」という意味ではセカオワにかなうバンドは無いと言い切っても過言ではないかと思います。

ところで、彼らを短期間でスーパースターへと押し上げる原動力となったメジャーデビュー当初の名曲『TONIGHT』が、Nakajinこと中島真一さんが作った当初は今の歌詞でなかったことは、実はあまり知られていません。今回はこの『TONIGHT』にスポットを当てたお話しです。


【セカオワ初の武道館公演でお披露目された名曲は公演3週間前に完成したタイトル未定の曲だった】

セカオワの楽曲の多くは初代リーダーであるFukaseこと深瀬慧(ふかせ さとし)さんによって作られていますが、この『TONIGHT』はNakajinさんが初めて作詞を手がけた楽曲であることでファンの間では知られています。メジャーデビューした年でもある2011年の11月22日、セカオワ初の武道館公演の際にNakajinさんがアコースティックギターの弾き語りで披露しましたが、その際バンドの紅一点であるSaoriこと藤崎彩織さんが「実はまだ曲のタイトルが決まっていないこと」をバラし、それを受けてNakajinさんが「曲そのものが3週間くらい前にようやく完成したばかり」であることを告白しています。

https://www.youtube.com/watch?v=xFiiyWa8Vjo

<参考:TONIGHT LIVE SEKAI NO OWARI>


【Fukaseさんがアレンジを加えボーカルをとった「会いに、走れ。Version」はNew Balanceとコラボで完成】

このように“名無しの名曲”であった『TONIGHT』はその後、歌詞の一部が手直しされ、さらにFukaseさんによってアレンジを加えられてNew Balanceのランニング・スニーカーのコラボレーション・プロジェクト用にFukaseさんのボーカルでより完成度の高い楽曲へと止揚され、『TONIGHT~会いに、走れ。Version~』としてNew Balanceのドキュメントムービーのテーマ曲としてメディアに流れるようになり、セカオワのファンが飛躍的に増えることに繋がります。これが2012年春頃のことでした。ただ、俗に“フカセ・バージョン”と呼ばれるこの『会いに、走れ。version』の完全版は、You Tubeのサイトが著作権者の申し立てにより今では閲覧できなくなっていますので、どんな感じか聴きたい方は「会いに、走れ。」のラジオCMをアップした動画でそのさわりだけでも聴かれるといいでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=26BggdzDPU0

<参考:SEKAI NO OWARI「会いに、走れ。」ラジオCM>


【お披露目当初と歌詞が変わった部分はこんなところ】

さて、『TONIGHT』はその後2012年7月18日リリースのアルバム『ENTERTAINMENT』にもNakajinさんのボーカルで収録されることになりますが、上述の「会いに、走れ。Version」同様、歌詞の一部が既に手直しされています。一番大きな違いは武道館でのお披露目当初は「大切な<モノ>はどんどん変わっていく」だったサビの言葉が、「大切な<イマ>はどんどん変わっていく」に手直しされているところですが、エンディング部分の「この仲間の元へ続いていたのなら」という部分も曲にたいしてセンテンスが短いということもあり、「この長い道が君へと続いていたなら」に変更されています。さらに冒頭部分の「たった今ここに立ってるという事実」が「僕が今ここにいるというこの事実」に変わっている点が、主な変更点です。


【『TONIGHT』こそがセカオワを全国区にした素敵なバラード】

こうしてより一層ラブ・バラードとしての完成度を増していった『TONIGHT』は、2012年夏頃に制作が開始され同年10月から12月にかけてNHK BSプレミアムで全8話が放送されたテレビドラマ『てふてふ荘へようこそ』の主題歌に(Fukaseさんがボーカルを取ったバージョンが)採用され、それまでセカオワを知らなかった日本中の小中学生の子どもたちも、セカオワ音楽の虜になっていきます。ことに女の子たちにとってはSaoriさんという素敵なお姉さんがいるそのメンバー構成がこの上なく魅力的に映り、その後の『RPG』(2013年)、『Dragon Night』(2014年)、『プレゼント』(2015年)へと続くセカオワの急速な大躍進へと繫がっていくのです。


あっという間にわが国のポップ・ロックの頂点に駆け上がった「SEKAI NO OWARI」ミュージックは、実は加速をつける段階でNakajinさんの手によるバラード『TONIGHT』が果たした役割がとても重要であったという事実は、疑う余地すらないことでありましょう。


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画像引用元:Toy`s Factory 公式ホームページ

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