コール・ポーター(Cole Porter)というアメリカの音楽家がいます。

多分JAZZの好きな人なら知らない人はいない有名な作詞・作曲家です。ミュージカルや映画音楽の分野で、多くのヒット曲を残し、その多くがスタンダード・ナンバーとして、いまだに多くのミュージシャンに歌い継がれている。
ちょっと思い出すだけで、「Anything Goes」、「Love For Sale」、「Night And Day」、 「Begin The Beguine」、「I Love Paris」 、「You’d Be So Nice To Come Home To」、「So In Love」、「It’s Alright With Me」・・・などがすぐ浮かんできますね。

“So In Love” は1948年のブロードウェイ・ミュージカル”Kiss me Kate” の為に、コール・ポーターが作詞作曲しました。このミュージカルは、文豪シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」(The Taming of the Shrew)を素材とし、離婚した元夫婦の役者二人の喧嘩と仲直りの繰り返しが、劇中でもバック・ステージでも同時進行するといった凝った演出もの。


これは、1948年12月から「ニュー・センチュリー劇場」次いで「シューベルト劇場」に移って合計1077回公演されるという大ヒットになり、コール・ポーターの起死回生作品となりました。”So In Love” は、この舞台で、主演したアルフレッド・ドレイクと、パトリシア・モリソンはこの年の12月にシングル盤をリリースしている。また、この舞台のオリジナル・キャストによるアルバムが出ている。

このミュージカルは舞台の5年後、1953年にタイトルも同じ ”Kiss me Kate” (日本では1987年にようやく公開、邦題:キス・ミー・ケイト)として映画化されたが、そのスクリーンでは、主演したハワード・キールとキャスリン・グレイソンが ”So In Love”を歌いました。ミュージカルの ”Kiss me Kate” は、その後も1951年にロンドンで、1952年と1999年にブロードウェイで再演されています。

“So In Love”の歌詞は、「ねぇ、愛しいあなた不思議なの でも本当なのよ あなたの傍に近づくと 空にたくさんの星が溢れて あなたにこんなに恋をしてしまうの あなたがいなくても 私の腕はあなたを抱きしめているわ ねえ、あなた何故だかわかる?あなたを深く愛して居るからなのよ/あなたと初めて会ったあの夜 神秘的な雰囲気に酔ってしまい あなたも私を愛してくれていると知った時に 有頂天になるほどの喜びに震えてしまったのよ・・」などと歌っている熱烈求愛型のラブソングである。

この曲を取り上げたヴォーカリストも数多く、1948年にはディック・ハイムズ、同年「トミー・ドーシー・オーケストラ」で歌ったデニー・デニス、1949年にはビング・クロスビー、ダイナ・ショア、パティ・ペイジ、ゴードン・マクレエ、1955年にエディ・フィッシャー、メイベル・マーサー、1956年にエラ・フィッツジェラルド、マリオ・ランツァ、1958年にペギー・リー等、上げればきりがない。


この曲は、コール・ポーターの曲には珍しく、上記以外の劇場用長編映画で使われている例がみつからない。但し、アーウィン・ウィンクラー監督、ケヴィン・クライン、アシュレイ・ジャッド主演の「五線譜のラブレター/DE-LOVELY」(2004年公開)コール・ポーターの波乱の半生を描いた映画ではもちろん使われています。コール・ポーターに扮したケヴィン・クラインが ”So In Love” を歌っています。この映画ではポーターの曲が20曲ほど出てきますが、ケヴィン・クラインはその半分以上を見事な歌唱力で歌っています。

老いたコール・ポーターが過去を振り返るところから始まり、劇中劇やミュージカルがあったり、実際の映画の一シーンがでてきたり、ポーターの名曲やそのエピソード満載でJAZZファンにはたまらない映画です。

そして、さらに映画に登場して劇中で歌うアーティストたちがとても豪華で見ものなのです。「エルビス・コステロ」、「ダイアナ・クラール」、「シェリル・クロウ」、「ララ・フェビアン」、「ナタリー・コール」、「アラニス・モリセット」など・・・。JAZZファンには見逃せない「観るJAZZ」。私も友人に勧められてから、この映画をとても気に入り、すぐにDVDを購入してしまいました。大好きな映画です。

日本でのミュージカル「キス・ミー・ケイト」は、1966年に宝田明と江利チエミ主演での初演を始め、1988年に大浦みずきとひびき美都、主演の宝塚花組公演を含め数回公演されていて、それぞれの二人が ”So In Love” を歌いました。





ピアノ

(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)