『あの素晴しい愛をもう一度』、『風』、『花嫁』、『戦争を知らない子供たち』、『白い色は恋人の色』、『さらば恋人』、『初恋の人に似ている』、『帰って来たヨッパライ(松山猛との共同作詞)』、『イムジン河(4番)~春~(1~3番は松山猛作詞)』。

今50代後半以上の年齢のかたであれば、いずれも青春時代にきっと口ずさんだことがある歌ばかりなのではないでしょうか。そう、これらは全て、ザ・フォーク・クルセダーズで加藤和彦さんやはしだのりひこさんのの盟友であり精神科の医師でもある作詞家の北山修(きたやま おさむ)さんが作詞した歌なのです。

【女子の青春についても男子の青春についても歌っているが、女子の方が明らかに「内面」が強い】

北山修さんが書く詞は“言葉で人のこころを治療する”精神科の医師らしく、どれをとっても詞がシンプルで覚えやすく、印象的で歌いやすいものばかりです。けれどよく聴いてみると、「女子の青春(ないし恋愛)を歌った曲と男子の青春(恋愛)を歌った曲とでは、詞の内容に大きな違いがあることがわかります。それは何かというと、女子の場合は失恋や挫折を最終的にはきっぱりと「ふっ切る」のに対し、男子は「ふっ切るのに何だかんだと時間がかかり、いつまでも未練を引きずっている」という点です。

また北山さんはFMのラジオ番組の中で「自分が書く詞の内容は9割が実話だ」と語っていることから、こういった女子の強さと男子の弱さというものは医師としての臨床経験に基づく「真実」であると、その詞を通しておっしゃっているようにも思えます。
<参考:NHK-FM「きたやまおさむのレクチャー&ミュージック」(2009年3月―2012年3月放送)>

【女子の「強さ」を歌った曲 『花嫁』】

はしだのりひことクライマックスが歌って大ヒットした名曲ですが、結婚式などで今でもよく歌われるため、若い人でもご存知のかたが多いのではないでしょうか。北山修さんが作詞し、端田宣彦さんと坂庭省悟(さかにわ しょうご)さんが共同作曲した楽曲です。

「花嫁は夜汽車にのってとついでゆくの あの人の写真を胸に海辺の街へ」
という歌い出しのフレーズだけでも十分なインパクトがあるのですが、

「帰れない何があっても 心に誓うの」
のくだりでもって、男子は女子の半端じゃない覚悟といったものに、圧倒されることになるのです。

そしてさらに、
「小さなカバンにつめた花嫁衣裳はふるさとの丘に咲いてた野菊の花束」
「何もかも捨てた花嫁 夜汽車にのって」
ときて、男子は完全にノック・ダウンとなるのです。

【男子の「弱さ」を歌った曲 『風』】

はしだのりひことシューベルツが歌った和製フォークのバイブルのような楽曲で、北山修・作詞、端田宣彦・作曲による作品です。前述の『花嫁』とは真逆で、これこそが男子の「弱さ」を見事に歌ってしまっている歌だと言うことができます。詞を見てみましょう。

「人は誰もただ一人 旅に出て 人は誰もふるさとを振りかえる
ちょっぴりさみしくて振りかえっても そこにはただ風が吹いているだけ
人は誰も人生につまづいて 人は誰も夢破れ振りかえる」

どうですか、女子と比べて何とメメしいこと。全然ふっ切れてないどころか、「ホントにこの男、大丈夫かなあ」と人生の先輩として思わず心配してしまうような感じではないでしょうか。

【筆者の経験からも、女性は男性よりも間違いなく強い】

私ごとではありますが、筆者は妻と出会ってからもうじき30年になります。これまでに5回も6回も人生の大ピンチがありましたがそんなときに「もう、どうでもいいや」と投げやりになってしまいそうになるのはいつも男である筆者の方で、そういうときに妻は「何をボサっとしているの!」「あんたにはもう愛想が尽きたけど、子どもを不幸にしないでよ!」などと言って、サディスティックなまでに筆者を叱咤し、立ち直るきっかけを作ってくれたのはいつも女性である妻の方でした。

北山修さんは医師ですから、女性の方が男性よりも内面が強く芯が強いことを、筆者などよりもずっとよく分かっておられるので、歌の主人公が男か女かで「ふっ切れない歌」になるか「ふっ切れた歌」になるかを知っていたのだろうと思います。ありふれた言い方にはなりますが、「子孫の生命を直接的に預かる性」である女性が内面的に弱かったのでは、種が絶滅してしまうからではないだろうかと、思ったりもするのです。



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(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)