「来週の水曜日のお昼、横メシなんですよォー」

これも筆者がビジネスマナーのアドバイザーとして関わっているカルチャー教室の生徒さんで、規模は小さいけれどある分野にとても強い専門商社にお勤めの20代独身女性のお嘆きです。

なんでも来週カナダにある有力な取引先の御一行が来日され、彼女が勤めている会社から彼女も含めて4人で「横メシ」接待だとのこと。
「横メシ」の語源は何ぞやという話しはあとにして、要は西洋のコース料理で会食しなければならず、横メシが苦手な彼女はプチうつ気味。
ネットやスマホで検索すれば「西洋料理のマナー」的なサイトは無数にあるけれど、彼女が欲しているのはそういったサイトに載っているような事細かな情報ではなく、「根本的に横メシ苦手なわたしのような人間が、これだけ気をつけておけば大丈夫というホントに肝心なポイント一・二点」だということなのです。


【そもそも横メシって何? どうして横メシと言うの?】

で、本題に入る前にそもそも横メシとは何ぞやについて。

横メシとは、外国の人を接待するために和(なご)やかに会話をしながら西洋のコース料理(主に、フランス料理)を食べることです。
外務省の職員や総合商社の商社マンによって使われ始めた符牒(ふちょう。隠語のこと)といわれますが、実は外国の研究者と会食する機会が多い学者・大学教授なども多用している言葉です。
なぜ横メシと呼ぶかには諸説ありますが、英語やフランス語といった横文字の言葉で喋りながら食べるメシだからだとか、メニューが横書きのメシだからだとかがネット検索ではよくぶち当たる説明。ですが筆者はその立場はとりません。

みなさんがまだお生まれになっていなかった(もしくはとても小さかった)1980年代半ばのこと、今ではクレディ・アグリコル・グループに買収されてしまったクレディ・リヨネという大きなリテール銀行の本店がパリにありました。
若かった頃の筆者はH博士という当時の日本で気鋭の経営工学の先生が銀行経営上の問題解決方法を提案するプロジェクトのお伴として渡欧し、歴史を感じさせる石造りの英国風の建物の中の食堂で、「横メシ」を食べる機会を得たのでありました。

提案する側で接待される側の筆者たち日本人10数名と、提案を聴く側で接待する側のフランス人10数名がそれぞれ長いテーブルをはさんで横にズラっと並んでそれはもう仰々しいことこの上なし。終わるとH博士が開口一番、「横メシは疲れるだろ?」とおっしゃったのです。

それ以来筆者にとって横メシとは、接待する方もされる方も横にズラっと並んで食らう疲れるメシのことであると認識したのです。誰が何と言おうとネットに何て書いてあろうと、横メシとは横にズラっと並んで食べる、食べた気がしないメシのことです。

以上、長い長いどうでもいい前置きでした。


【横メシを無難に乗り切るマナーは椅子の背に自分の背中をつけたまま食べること。それで9割方OK】

ここからが本論です。

彼女のように横メシ苦手な日本人は多いはず。だって仕方がないですよ、島国なのですから。でもグローバル化の時代。どうでもいいことで「日本人は行儀が悪いなあ」とか思われたらしゃくにさわるじゃありませんか。
そこで、お教えいたします。これだけ守っておけば9割方OKの横メシのマナー。細かいことは一切申し上げません。これから申し上げることだけ、最初から最後まで忘れずに横メシを召し上がってください。

●椅子の背に自分の背中をつけたまま離さずに食べること。

本当にこれだけでいいんです。これだけ守っておけば西洋のかたがたは「おっ!この人、日本人なのに、やるな」と思います。もちろんアジアや中東やアフリカや、その他の地域のかたがたも「あっ!この人、西洋人みたい」という印象を持ちます。


【口を食べ物に近づけるのではなく、食べ物を口まで持ってくる。これで99%クリアー!】

せっかく9割方OKのワザを身につけたなら、せっかくなので99%のレベルまで行きましょう。自分の背中を椅子の背につけたまま絶対に離さないようにしながら、次のことだけを心がけてください。

●自分の口を食べ物の方に近づけるのではなく、食べ物の方をフォークで自分の口まで運ぶ。持ってくる。

ここまですれば、横メシのマナーは99%クリアーです。横メシのネイティブの人から見たら「横メシも美しく食べることができる大和撫子」であります。いかがですか、簡単でしょう?それではおしまいに、この二つのことをやり切るためのコツをご披露して、締めくくらせていただきます。


【背をつけ、食べ物を口まで運ぶには、自分の胸をぎりぎりまでテーブルに近づけるよう椅子を引き寄せましょう】

椅子の背に自分の背中をつけたままけっして離れないようにし、口を食べ物の方へ近づけるのではなく食べ物の方をフォークで自分の口まで持ってくるためには、自分の体がテーブルとあんまり離れていては出来ません。そこで横メシ必勝法を99%まで達成するコツを申し上げるならば、

●自分の胸をぎりぎりまでテーブルに近づけるように椅子を引き寄せる。テーブルと胸の間隔はこぶし1・2個分。

ということになります。
もちろん、テーブルに自分の胸がくっついてしまうほど引き寄せてしまうとかえって変てこりんな印象を与えてしまいますので、そこは「ほどほどに」ということをお忘れなく。


【残りの1%は語学力でもテクニック論でもありません。あなたの人柄(パーソナリティー)です】

「勉強になりました。早速、来週の水曜日の横メシのときに実践してみますね」

彼女のように海外の人と交流する機会が多い職場にお勤めのかたであっても、日本人はどうしても横メシに抵抗感があるものです。これは文化に根差した抵抗感なので無理に払しょくしようと思う必要はありません。
海外在住歴が何年にもなる筆者の友人の銀行役員でも「横メシはいまだに疲れるよ」と言っています。疲れるのはどうしようもないことなので(だって、日本人相手の商談や接待だって疲れることは疲れるでしょ?)せめて横メシへの苦手意識だけ取り払いましょう。

横メシ必勝法の最後の1%を埋めるのは、語学力でもなければ他のいかなるテクニック論でもありません。

●お会いできて嬉しいです感に満ち溢れたあなたの人柄(パーソナリティー)でパーフェクト達成です!

以上、ネットやスマホで検索しても載っていなかった「これだけおさえておけばいい横メシのマナー」でした。


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