世の中「世襲」だらけだと思いませんか?
例えば政治の世界。お父さんもお爺さんも政治家だった人じゃない方が珍しいくらいの印象があり、これで本当に、何から何まで自分で頑張ってる「たたき上げ女子」のための政策が作れるのか、はなはだ疑問。
女性の国会議員にしても元スポーツ選手・元アナウンサー・元タレントの人を除けばお父さんやお爺さんや旦那さまが政治家という人が目立ちます。

スタートラインから圧倒的に有利な立場に居る世襲女子があまりにも多いと、「関係ない」とは思いつつも若干やる気を削がれるのはいたしかたないように思います。
そこで今回は、「たたき上げ女子」が最初から世襲天国の世界を避け、自分の力で道を切り開く参考になればとの願いを込めてのお話しです。


【歯科医師の53%は親も歯科医師。医師の36%は親も医師】

2000年から2010年度にかけて行われたJGSSデータ(日本版総合的社会調査)によると、職業別に世襲者がどれくらいいるかを示した世襲率(流入の世襲率)とその平均年収額は、下記のようになります。


・農林水産業従事者…94%が親も農林水産業 平均年収372万円

・宗教従事者…59%が親も宗教従事者 平均年収377万円

・歯科医師...53%が親も歯科医師 平均年収1,147万円

・医師...36%が親も医師 平均年収1,317万円

・小売・卸売店店主...34%が親も商店主 平均年収536万円

・繊維、紙、木材製造...21%が親も繊維、紙、木材製造 平均年収373万円

・和のものづくり...20%が親も和のものづくり職人 平均年収391万円

・ガラス金属セラミック製造...19%が親もガラス金属セラミック製造 平均年収455万円

・飲食店経営・従事...11%が親も飲食店経営・従事 平均年収397万円

・会社役員・経営者...9%が親も会社役員・経営者 平均年収1,147万円

・教員...8%が親も教員 平均年収541万円

・保安公務(警察官・自衛官等)...6%が親も保安公務 平均年収482万円

・芸能、アート、文芸等...5%が親も芸能、アート、文芸等 平均年収566万円

・法律、会計、税(弁護士・税理士等)...4%が親も法律、会計、税 平均年収946万円

・管理的公職(行政・省庁職員等)...4%が親も管理的公職 平均年収806万円

<参考:『世襲格差社会化のテーゼ』参鍋篤司(早稲田大学高等研究所)2014年10月2日)

ざっとこんな感じです。収入の高い歯科医師は50%以上の人が親も歯科医師であることがわかります。
同じく収入の高い医師も、歯科医師ほどではありませんが30%以上の人が親も医師です。
いわゆる政治家(国会議員)は、元々の職業が医師であったり弁護士であったりするので、この統計に直接的には反映されていない面があります。
芸能人等で親も芸能人等なのは5%程度というのは、意外な結果かもしれません。


【親の農林水産業を受け継ぐ人は16%にとどまる】

この統計だけを見ると、「何だか医者になっても商店主になっても、先祖代々その仕事の人には負けそうでイヤだなあ」と思ってしまう女子も多いことかと思いますが、諦めるのはまだ早いのであります。
世襲率には上記のような「流入の世襲率」の他に「流出の世襲率」があり、親の職業が子にどれくらい受け継がれたのかを見る指標があるのです。それによると、

・農林水産業従事者...親の農林水産業を受け継ぐ人は16%にとどまる

・小売・卸売店店主...親の小売・卸売店店主を受け継ぐ人は12%にとどまる

・ガラス金属セラミック製造…親の「ガラス金属セラミック製造を受け継ぐ人は11%にとどまる

・繊維、紙、木材製造...親の繊維、紙、木材製造を受け継ぐ人は10%にとどまる

こういったデータがあるのです。
これは何を意味するかというと、女子のみなさんもうお分かりですよね。
農業や林業や水産加工業、小売業や卸売業などのいわゆる「商売」、ガラス職人やガラス細工職人、金属加工の職人やセラミック・鋳物職人、繊維や和紙・洋紙の職人、材木や銘木の職人など。
こういった職業は、名人の子どもたちがその仕事を受け継ごうとしないので、「たたき上げ女子」がこれから新規に参入しても大いにチャンスがあるということなのです。

しかし一方で、

・医師...親の医師の仕事を受け継ぐ人が39%にものぼる

・和のものづくり職人...親の和のものづくりを受け継ぐ人が29%にものぼる

・教員...親の教員の仕事を受け継ぐ人が10%もいる

・芸能、アート、文芸等...親の芸能、アート、文芸等の仕事を受け継ぐ人が9%もいる

・法律、会計、税(弁護士・税理士等)...親の弁護士・税理士等の仕事を受け継ぐ人が9%もいる

といったデータもあり、「たたき上げ女子」にとってはスタート地点から水をあけられるのを覚悟しなければならない場合もあるということです。

<参考:『世襲格差社会化のテーゼ』参鍋篤志>


【結論!? たたき上げ女子が狙うべき隙間の職業とは】

以上の考察を踏まえたうえで一つの結論を申し上げるならば、親の七光りも何の縁故もない「たたき上げ女子」にとって狙い目の職業は、農業や水産加工業、「和」でない分野のものづくり職人、商店経営などです。
そういった仕事は、「名人」である親の技術を子どもたちが受け継ごうとしていないため、放っておけば絶滅するおそれがかなりあるのですが、名人たちが健在な間にその腕と市場をそっくり貰ってしまえば、将来的にはいいメシの種になる可能性が高いです。
もちろん最初のうちは名人たちからその仕事の基本をしっかり盗み、自分なりに消化することが先決となりますが、基本を身につけたうえで世界に向けた視点で自分独自の展開をすれば、将来の展望は明るいと思われます。

逆に、医師や歯科医師、弁護士や税理士、芸能人などの職業は、世襲女子たちに「どうぞ、どうぞ」と譲ってさしあげましょう。
そういった世界がそのうち世襲だらけになって活気も創意工夫も喪失し、沈滞の極みに達したとしても、知ったことではありません。




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(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)