大学生らが経験した「ブラックバイト」についての、厚生労働省による初めての実態調査の結果が2015年11月9日に公表されました。見ると、「いつから日本の企業はここまで劣化してしまったのか」と思わせるような調査結果ばかりで、情けないやら悲しいやら。「賃金がきちんと支払われない」「合意した以外に勤務させられ授業に出席できなかった」など、何と全体の6割にのぼる学生がトラブルを経験していた実態が明らかになったのです。
ここでは、ブラックバイト被害女子の諸々の悩みの中でも最も多い悩みであるところの、「バイトを辞めさせてくれない。辞めようとすると“損害賠償”などといった言葉を持ち出して脅してくる」という問題について、ブラックバイト被害女子がどうやって上手くそこのバイト先企業を辞め(脱出し)、別のホワイトなバイト先を見つけるかというテーマで、微力ながらアドバイスをさせていただきたいと思います。

<参考:2015年11月9日付『日本経済新聞』電子版>


【ブラックバイトとは何か】

その前に、「ブラックバイトとは何か」という問題について統一認識を共有するために、ブラックバイトの定義を確認しておきましょう。ブラックバイトユニオンの公式ホームページに記載されている説明を筆者なりに統合すると、「ブラックバイトとは、学生であることを尊重しないアルバイトのことで、学生の無知や立場の弱さにつけ込むような形での違法行為が当たり前となっているアルバイトのこと。低賃金であるにもかかわらず正規雇用労働者並みの義務やノルマを課せられたり、学生生活に支障をきたすほどの重労働を強いたりといった、いわゆる“非正規雇用の基幹化”を学生アルバイトに対しても徹底しようとする企業の行動様式。違法行為の具体例としては、残業代不払い、休憩時間の不付与、不合理な罰金の請求、不当な自社商品購入の押しつけ、パワハラ・セクハラ・ジェンハラの放置などがあげられる」といったところでしょうか。

<参考:ブラックバイトユニオン公式ホームページ>


【脱出し、ホワイトバイト探しに移行する自由さえも奪おうとする卑劣】

このような「ブラックバイト強要企業」の一番の卑劣な点は、ブラックバイト被害女子ら(もちろん被害男子らも)に、「ブラックバイトから脱出してホワイトバイト探しに移行する自由すらも奪う」ところです。
ブラックバイトであるにもかかわらず我慢して、頑張って働いてきた女子たち(もちろん男子たちも)は、昭和の高度経済成長期以降の学生たちのように「自分の趣味や遊びやオシャレ等のために使えるお金を稼ぐため」といった目的でアルバイトをしているわけではありません。
彼女たちは、「貸与型の有利子奨学金をたくさん借りて大学に通ったら、もし正社員として就職できなかった場合に返済不能となり、返済猶予や返済を断念しての自己破産申し立てといった事態に陥るおそれがあるため、なるべく貸与型の奨学金を借りずに大学に通うため」にアルバイトをしているのです。だからこそ、理不尽で耐えがたい待遇であっても我慢して、ブラックバイトをつづけているのです(それにしても、若い女性が奨学金の返済が理由で自己破産の申し立てを検討しなければいけないような社会に、本当に未来があるのでしょうかね?)。
そのような彼女たちに対し、「ルール違反だから、代わりの人も見つけずに辞めた場合は損害賠償金○万円を払ってもらう」などと言って脅し、彼女たちから今の状況を脱出してホワイトバイトに移行する自由さえも奪おうというブラックバイト強要企業など、もってのほかだと思います。
それでは、そのようなブラックバイト強要企業から被害女子たちが上手く脱出し、まともなホワイトバイト先に移行するためにはどうしたらいいのでしょうか?

<参考:NHK視点・論点『広がる“ブラックバイト”』中京大学教授・大内裕和 2015年5月29日>


【無断退職ではなく、電話で辞める意向を一方的に伝え、電話を切りましょう】

それでは、(特に女子が)ブラックバイト先から怪我なく脱出する方法についてお話しさせていただきます。
まず、基本中の基本として踏まえておかなければいけないこと。それは、たとえ相手がブラックバイト強要企業であったにしても、無断退職は人としてやってはいけないということです。
辞める意思を、人事権を持っている人に電話ではっきりと伝えましょう。人事権のある人に取り次いでくれない場合は所属長で大丈夫です。会って伝えるのは多勢に無勢となるので危険ですしパワハラやセクハラを受ける怖れもありますので、1対1でしか会話のできない電話を使いましょう。
と言っても、決して「話し合い」をしてはなりません。話し合いをしてしまうと、ブラックバイトを強要するような会社は相手が人生経験の乏しい学生だと思って、労働基準法上通用するわけのないような「脅迫」をしてくるからです。
「代わりのアルバイトも見つけずに辞めたらペナルティー○万円を払ってもらうことになる」などといった脅しはその典型例ですが、代わりのアルバイトを見つけるのは会社の仕事です。働く人の仕事ではありません。
ですが、そうは分かっていても、立場の弱い「使われる側」は、脅されれば不安になります。だから、相手とは「話し合い」はせずに、こちらを心理的に不安にさせる意図に満ちた「脅し」は聴かないことが大事なのです。
話し合いをせずに、「辞める」意思を一方的に大きな声ではっきりと伝えてください。退職理由については「家事都合」と言っておくのが無難です。そう言っておけば揚げ足を取られにくいからです。「授業に出られないから」などの正直な理由や、より詳細な理由などはこの時点で言う必要はありません。

【それでも辞めさせない超悪質な場合は専門の機関に相談してください】

すでにお気づきかもしれませんが、要するに何が大事なのかというと、「無断ではなかった」という点が大事なのです。周到な会社ですと、就業規則に定めを設けておいて無断で辞めたアルバイトにペナルティとして減給の制裁をできるようにしてあるところもありますので、たとえ一方的な「宣言」であろうと何であろうと「辞める意思をはっきり伝えた」ことが、とても大事なのです。
もしも「筋金入りのブラックバイト強要企業」で、このようにしても「絶対に辞めさせない」といった態度の会社に当たってしまった場合は、自分ひとりで悩まずに下記のような専門の機関に相談してください。

●各都道府県の労働局、労働基準監督署、ならびに総合労働相談コーナー
●ブラック企業被害対策弁護団
●ブラックバイトユニオン

(http://blackarbeit-union.com)

たとえば、「実際に辞める日の2週間前に言ってこなかったから、きみの退職の意思表示の電話は法的に無効ですよ。引き続き働いてもらうからね」のように言ってからんでくるような会社は正真正銘のブラックバイト強要企業ですから、このような機関に助けを求めてください。きっと力になってくれるはずです。

専門家の助けを借りてでも、とにかくブラックバイトからの脱走を果たしさえすれば、筆者が交流のある学生さんたちに訊いてみただけでも梱包や組み立てなどの軽作業やフランチャイズ方式でない小売チェーン(大手総合スーパーなど)、関東地方地盤のある大規模ラーメン店チェーン、一部のカラオケ店チェーン、図書館といった業種で、学生にとても理解のあるホワイトバイト先があるということです。
一日も早くブラックバイトから脱走して、ホワイトバイトへと転じられるよう、心からお祈りしております。

1日から働ける激短バイト!ショットワークス

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(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)