純粋にコラムニストと呼べるコラムニストが、今の日本に何人いるでしょうか?筆者が見るところ、天野祐吉御大なき今では、厳密な意味では小田嶋隆さんただ一人。強いて言えば特定の分野に特化したコラムの泉麻人さんと冷泉彰彦さんがそうかもしれません。

あとの人たちはコラムニストと名乗ってはいても実際にはテレビタレントとかスポーツ解説者とかニュースキャスターや大学教授といった本業の肩書でもってメディアに顔を出していないと、コラムだけではその存在感をじゅうぶんに発揮できない人がほとんどではないかと思うのです。

そんな中で、筆者が「もしかしたら、この方はタレント業をしなくたってコラムだけでいけるのでは」と思う女性がいます。室井佑月さんという女性です。この方が書くコラムは女子の皆さんが自分の職場にあてはめても納得できるような本質を突いたものが多く、一読の価値があります。今回は、女子必読の女性コラムニスト・室井佑月さんの名言から4つを厳選してお届けします。

「権力者たちは弱い者同士がたたき合う構図を作るのがうまい」

2015年12月16日付の朝日新聞に掲載された室井さんの名言です。女子の皆さんがご自分の職場のことを振り向いて見るとき、思い当たるフシはありませんか?安い時給で厳しいノルマを課せられた非正規労働者同士に「もっと働けよ、愚図」「あんたこそ間違いだらけじゃないか」といった争いをさせておいて、高みの見物をしている正社員の管理者たちは和気あいあいと年末のボーナスの使い道について歓談している……。恐らく誰もが目にする光景ではないでしょうか。

「権力者たちは弱い者同士がたたき合う構図を作るのがうまい」

室井佑月さん、すごすぎます。こんな本質を突いた言葉、男性の口から最近聞いたことがありません。室井さん本人は、「生活保護をたたく低所得者」という例を出して、この言葉の意味を説明していました。

「私たちはどこへ売られていくかわからない子どものようだ」

『週刊朝日』2015年9月25日号に掲載されたコラムの中の言葉。室井さん自身は今の日本全体に漂う空気を大きな問題として書いていますが、この言葉、有期雇用契約で働いている多くの女子の心理をも見事に表現していると思いませんか?

今は雇ってもらえていて、少ないとはいえ毎月給料が振り込まれているけれど、次の契約満了日で雇い止めになるのかどうかは、働く女子たち自身には誰にもわからない。職場の上の方の人事権を持っている人たちの考え方ひとつで、数か月後は失業保険を貰いながら求職活動をしているのかもしれない。自分の将来が自分では決められないという女子たちが置かれた職場環境の重苦しさを、実に見事に表現している言葉だと思います。

「私たちはどこへ売られていくかわからない子どものようだ」

室井さんの感性、素晴らしいですね。

「子供にかけられる言葉は「まぁ、しゃーねーな」、このひと言じゃないですか」

室井さんは、思春期の男の子がいる一児の母でもありますが、『女性セブン』2015年4月2日号で、次のように語っています。

「子供にとって大事なのは失敗しても、社会人になって自分でちゃんと稼げるようになることだと思うの。だから、どこの学校に入ったかということはあんまり関係ないと思う」

そして、つまるところわが子が壁にぶち当たった時に親がかけるべき言葉というのは、「まぁ、しゃーねーな」以外にはないと言います。子育ての本質が凝縮された、鋭い指摘ではないかと思います。

「学歴もない私が子どもを育てながら生きていけるので、それでいいと思っている」

これも2015年12月16日付の朝日新聞に掲載された言葉です。室井さんというと何か「権力批判さえしていればいいと思っているようなコメンテーター」みたいに誤解されている人も多いようにみえますが、本当の室井さんはこの言葉に表れているように、今の社会が戦前などとは違って「いい社会だ」という自覚を強く持っていらっしゃいます。

「学歴なんかあったところで権力に従順に生きなければお金や地位などと無縁の人生になる」という事実を嫌というほど見てきた筆者には、室井さんの『足るを知る』、潔さのようなものがとても貴とく映ってならないのです。



066830c3d0f3362780564880877387dd_s
(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)