2016年は、これから何らかの仕事を始めようという女子にとってどんな年になるのでしょうか。一つ、間違いないことがあります。
それは、東京オリンピックの足音が確実に聴こえはじめてくる年になるということです。新国立競技場はようやく着工されるでしょうし、多少なりとも観光に関わる事業体では、外国語に苦手意識を持たない人の新規採用を増やすでしょう。
雇用そのものも首都圏を中心に増加するはずです。女子であるからこそ持ち味が発揮できる仕事も多く、女子の活躍する場はますます増えてきます。

前の東京オリンピックが開催された1964年の前夜に、筆者は幼年時代を過ごしました。あの時代の空気をかろうじて記憶しているということは、とりもなおさず「アラ還」の域に入ってきたということです。
今回は、2016年という年に女子が始めたらいいのではと思われる仕事について、「東京オリンピック前夜」であるという視点から、半世紀以上前の「一回目の東京オリンピック前夜」とは何がどう違うのかという鍵を用いて考えてみたいと思います。


【『黄色い涙』に見る、雇用の増加は同じでも全員が正社員だった半世紀前と殆どが非正規労働者の今回】

半世紀前のオリンピック前夜の東京の空気感をよく表現している文芸作品に、故・市川森一さんによるドラマ脚本『黄色い涙』という作品があります。永島慎二さんの漫画『若者たち』を原作として市川森一さんが脚本を書き、1974年の年末に全20回の連続ドラマとしてNHKで放映されたものです。最近では人気アイドル・グループの『嵐』の5人が原作同様1960年代初頭の東京で夢を追い求める青年たちを好演した2007年封切の映画『黄色い涙』(犬童一心監督・市川森一脚本)の方で、そのストーリーをご存知の女子の方が多いかもしれません。

この物語、筋書きそのものはいつの時代にもよくある青春物語です。一流の漫画家や小説家、歌手、画家を目指す若者4人の日常と、彼らが入り浸る喫茶店や食堂で織りなす淡い恋や人間関係を、最終的には「挫折」そして「平凡な大人の人生」へと繋げて完結するといった具合です。例えば、テレビドラマ版で岸部シローさんが演じ映画版で櫻井翔さんが演じた売れない若手小説家の向井竜三は、エンディングではペンを捨ててオリンピックに向けて自動ドアを売り歩く営業マンになっています。
大体、みんなそんな感じです。「でも、一般人の人生って普通そんなもんじゃない?」とおっしゃるかたも多いでしょう。その通りです。普通はそんなものです。ですが、今とは大きく違う点が昭和30年代のわが国にはあったのです。それは、夢を捨てて就いた地道な職であっても、その頃は殆ど全てが若者たちにとっては「正社員」としての就職だったという点です。


【2016年から2020年まで女子にはチャンス満載の年が続くが、その殆どが有期雇用であることを忘れずに!】

話しを元に戻しましょう。2016年が女子にとって「チャンス満載元年」になることだけは、冒頭に申し上げたような意味で間違いありません。しかもこの傾向は2017年、2018年、2019年と年々その度合いを増して行くでしょう。
殆どの仕事が2020年夏の東京オリンピック閉会式の日までの有期雇用・臨時雇用であることをきちんと自覚したうえで臨むのであれば、女子が将来的に「本当の天職」に出会う準備段階としてのキャリアを磨く貴重な1年に、2016年という年はなるはずです。
筆者はよく今のわが国の企業が非正規労働者の人たちに支払っている賃金の水準を「生活賃金に到底満たない」という点については批判的に論じていますが、将来的にクリエイティブな仕事に就く布石となるような時間と経験が持てるという意味では、正社員よりもむしろ非正規という働き方そのものは肯定的に評価しています。
『黄色い涙』の向井竜三も、今回の東京オリンピック前夜だったら、売れない小説家を続けながら契約社員かパート社員の立場で自動ドアのセールスをやったことでしょう。そうして、50歳、60歳を迎えたときに小説家とセールスマンの両方の経験を生かした作品を紡いだ可能性があると思うのです。

最後の章ではそういう意味で、これから何らかの仕事を始めようと思っている女子にとって2016年はどんな年になるのか。というよりももっと能動的に「どんな年にしてやろうか」。考えられる具体例をお話しして締めくくりたいと思います。


【2016年からの4年間、将来のために女子が手がけてみる価値がある仕事】

●コンシェルジュ。
一般的にはホテルの「何でも承り係」のことで、これはもうオリンピックに向けて半端ない需要がありますが、コンシェルジュの需要は何もホテルに限りません。駅や観光施設、日本庭園など、コンシェルジュが活躍する場は無限に存在します。この4年間の若き日々に女子がホスピタリティー(「おもてなし」の心)の極意を体得すれば、将来はコンシェルジュ界の指導者になりえます。

●イベントコンパニオン。
ジャイアンツの長嶋茂雄終身名誉監督の亡くなられた奥様がミスターと結婚する前、最初の東京オリンピックのイベントコンパニオンをなさっていました。これこそ、5年も10年も続けられる仕事ではありません。女子にしかできず、しかも一定の年齢になるともうできない。今のうちにありったけの経験をしておきたい女子には2016年に一押しの仕事です。

●和服スタイリスト。
これはもしかしたら、2020年の夏以降もメシの種になるかもしれない仕事です。本来はプロのモデルさんに着せる着物や小物をコーディネイトする仕事ですか、2016年からの4年間は海外から来られた一般の観光客の女性を対象にした「着物を着てもらう商売」が大繁盛する可能性があります。そういった事業を展開するスタジオと契約するのがお金になる近道です。男性の和服のコーディネイトもできると仕事の守備範囲が広がりますよ。

●日本庭園設計士。
庭園設計会社や建築会社に就職して数年の実務経験を積んでから造園技能士や造園施工管理技士の資格を取得するのが王道なので、2016年から東京オリンピックまでの期間は「志を胸に秘めての修行期間」ということになります。が、ますますグローバル化する将来、凄いことになる可能性がある仕事でもあります。

●タクシードライバー。
『13歳のハローワーク』によれば、現在わが国にはタクシー乗務員が約40万人。個人タクシー運転手が約5万人。そのうち女性のタクシードライバーはたった2000人ということです。海外からの観光客の人たちにとってももうちょっと日本人女性のドライバーさんとお話ししながら名所を案内してもらう楽しみがあった方がいいのではと思うのですが、いかがでしょうか。

<参考:『13歳のハローワーク』公式サイト>


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