お正月のテレビは退屈です。筆者は芸人さんが漫才や漫談、落語といった研ぎ澄まされたお笑い芸をみせてくれる番組が大好きなのですが、芸人さん達同士が仲間内の話で盛り上がっているようなバラエティー番組を見るのは苦痛なため、その手の番組が多いお正月のテレビはあまり好きではありません。そんなわけで、ついついそれほど積極的に見たくもない討論番組などを見てしまうことが多いのですが、これがまた腹が立つ。

"気鋭の社会学者"とか"東大卒の新時代の女性国際政治学者"とか"本音のジャーナリスト"とか"総合商社勤務のマルチリンガル女子"などと呼ばれる人達が、とても尊大な態度でいろんなことをおっしゃるんだけれど、筆者の目にはどの方も「既に十分に力をお持ちの階層の方々を論理的にサポートして、"確定診断"をつけている医師たち」のように映るのです。
IT関連のベンチャー企業の社長さんとかはまだ頭が柔らかく、話が面白いです。で、それはともかくとして、そん"気鋭の先生方"が異口同音に指摘なさるのが、いわゆる『2045年問題』。2045年には人工知能の能力が全人類の知的能力の総和を上回るため、それ以降の科学や技術については人間には理解することも予測することもできなくなる、という問題提起です。ただこの問題提起、残念ながら避けて通ることはどうも不可能なようで、2045年には生きているかどうかわからない筆者のような年齢の者はいいとして、2045年頃に働き盛りを迎えて輝いているであろう女子のみなさんには、"2045年問題で消える職業"を今から見据えて、選ばないでおいた方がいいかなとも思うのです。こういう情報は"気鋭の先生方"に独占させておかないで、わたしたち"庶民"や"庶民の女子"の間でも是非とも共有しましょう。


【消える危険性が最高レベルの仕事・・・宅配便ドライバー、レジ係、税理士、訪問販売員、証券会社事務員】

筆者のそれなりの人生経験、職業経験から、このような仕事は"消える危険性"が最高レベルに属すると思います。
人工知能の発達は同時進行で(ドローンを含む)ロボット技術の発達を伴いますので、宅配便のドライバーや配達員、スーパーなどのレジ係は、2045年には機械に取って代わられている確率がかなり高いと思います。また、税理士や証券会社一般事務の仕事などは「最初から最後まで機械のガイダンスに従って自分でやってください」方式に変わっていると思います。販売業務は、試食や試飲までインターネットとドローンを使ってやるようになっていますので、そもそも人間が訪ねて来るスタイルの営業というのは、"怪しいもの"という意識が定着しますので消えるでしょう。


【消える危険性がかなり高い仕事・・・測量技術者、建設機器オペレーター、軽作業員、惣菜係、融資担当者】

測量や地図製作の分野は、GIS(地理情報システム)がほぼ完全に制圧し、いわゆる測量技術者さんの仕事は消える確率がかなり高いです。
また、今はまだ高収入の仕事ですが建設機器のオペレーターも人工知能とロボットに代わられるのではないでしょうか。製造現場などで組み立てや加工に携わる軽作業員も、作業内容が単純なパターンの組み合わせであればあるほど、消える確率が高いと言えます。スーパーやコンビニや弁当店のバックの惣菜係も仕事内容のわりには低賃金で人が集まらないため、痺れを切らした経営者達はロボットに替えるでしょう。
エビの殻剥きのように複雑な動作の組み合わせの仕事だけが人間に残されるのかもしれません。あと、金融機関で教育ローンや住宅ローンの融資業務を担当している人は、多分いなくなります。審査ポイントがそれほど込みいったものではないため、一から十まで人工知能がやってくれる仕事になるからです。


【もしかしたら消えるかもしれない仕事・・・コピーライター、スポーツ審判員、進学塾講師、手縫いの仕立て業】

「知的な仕事や芸術的な仕事は、さすがに消えないだろう」と思い込んではいませんか?実は、コピーライターのように印象的な短い文章を作る仕事は、人工知能に取って代わられるだろうと言われているようです。蛇足ですが、小説でも推理小説のような“謎解きの醍醐味”を売りにしているような分野は、人工知能が書いた方が面白いものができると言われています。
文学や芸術の分野で人間の手に生き残るのは、「論理に飛躍があり突如として違う作品のようなものに転じる」といった感じの創作物なのかもしれません。スポーツ審判員は、例えば野球で微妙なフェアかファールかを判定する審判員は、もう数年以内に機械にその職を譲るでしょう。塾は塾でもある程度の受験用訓練を受けているような子が集まる進学塾の講師は、人工知能が代行するようになります。人間が受け持つのは、居場所を失っている子ども達に寄り添う"熱血先生"の分野で、この熱血先生が人工知能によるシステム・プログラミング講座を習得するための「橋渡し」を子ども達にしてやることだけが、人間の塾講師の仕事になるでしょう。
なお、ニューヨークを拠点にした超高級紳士服メーカーが、3Dプリンターの技術をフルに応用して型取りから縫製まで100パーセント機械仕立ての特注スーツを作るようになっている今、手縫いの仕立て屋さんはさすがに消えて行くのかもしれません。


【当面は機械に取って代わられない仕事・・・保育士、家政婦、スポーツ選手、鑑賞用伝統芸、政治家、作家】

こうして考えてくると、当面は人工知能やロボットに取って代わられない仕事というのは、おのずとみえてくるような気がしませんでしょうか。例えば、保育士さんは"子育て"をしてくださる仕事ですが、子育てはなかなか機械にできにくい最後の分野であるように思います。
赤ちゃんに泣かれても無視して何かをしつづける能力は機械の方が上ですが、そういった感じの機械に育てられた人間の赤ちゃんがどんなふうに成長して行くかを見守るのって、怖くありませんか?
また、既に一般的に販売されている人工知能搭載の掃除機ロボットも現時点では平坦な床を掃除するだけなので、狭い隙間や階段の隅々まで掃除する家政婦さんの仕事はそうそう簡単には機械に取って代わられないと思います。また、スポーツ選手や華道、茶道といった鑑賞用伝統芸に携わる仕事も、「機械がやっても味気がない」という一点で、人間の手に残るように思われます。それから、論理ではとても説明しきれない人間のドロドロした感情そのものを扱う"政治家"や"作家"も、人工知能やロボットには替わられない気がいたします。


WomanNews読者の女子のみなさんの5年後、10年後、20年後の職業選択のためにほんのちょっとでも参考になれば、これほど幸せなことはありません。

<参考:ワークサイト『10年後、人工知能に取って代わられる職業とは』(東京大学大学院准教授・松尾豊)>


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