今年(2016年)は夏に参議院議員選挙が行われます。もしかしたら衆議院議員選挙とのダブル選挙になるのではないかとも言われています。
これまではどちらかというと若い人たちや女子の間に「選挙なんて関心無い」といった感性が格好いいかのような風潮があったような気がしますが、昨年くらいからでしょうか。空気が変わってきたのは、「やっぱり選挙に行って投票行動で自分たちの意思を示さないと、自分たちが“良い”と思えるような世の中がいつまで経っても近づいてこない」と考える若い人や女子の方が増えているように見えます。

そこで、選挙イヤーだからこそ、政治とか選挙とかについて考える上で基本中の基本となる概念の「保守」と「リベラル」というものについて、これまで政治や選挙に関心が無かった女子のみなさんにも超わかりやすく、解説させていただこうかと思います。ただし、事前にお断わりしておきますが、筆者の場合はどこか特定の政党や団体を支持・支援したり、どこか特定の政党や政治勢力への投票を呼びかけたりといった記述を一切いたしませんので、「それじゃ物足りない」とおっしゃる方はスルーしてくださいませ。


【“リベラル”を「自由主義」と訳すのは間違い。「公正第一主義」か「社会正義重視主義」と訳すのが正解です】

“リベラル”“リベラリズム”といった政治用語がありますが、この言葉がわかりにくいのは、それを日本語で「自由主義」と訳すからです。リベラルという概念は元々、ごく一部の王族や貴族の人たちが世の中の富の大半を独占していた封建制下のヨーロッパで、「同じ人間なのにそれではあんまり不公正ではありませんか」と声を上げて立ち上がった市民・庶民の人たちの感性を指して言う言葉なので、あえて日本語に訳すのであれば「公正さ第一主義」とか「社会正義最重要視主義」と呼ぶのが正解です。

このリベラルの感性こそ、人類史を中世以前と近代以降に分ける分水嶺のような概念で、アメリカ合衆国でいうところの民主党や、イギリスでいうところの労働党などがこの考え方を標榜する代表的な政党です。なお、よくリベラルに対する否定的な意見として、「理想を語るばかりで実行力がない」とか「統治能力に劣り、弱腰」といった批判が浴びせられることがありますが、歴史を顧みるとこの批判は必ずしも当たっていないことがわかります。典型的な例が1960年代初頭の民主党のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディで、キューバ危機を回避した際に見せた彼の正義感に満ちた勇敢な行動力や、アメリカにおいて長い間黒人に対して存在してきた法律的な差別を撤廃したこと。アポロ計画などでアメリカ国民の一体感を高めたことなどが、批判が当たらない根拠として挙げることができます。


【“保守”が守ろうとするものは自国の伝統文化ではなく「築き上げた地位や機会」。そこを間違うとわかりにくい】

一方、“保守”“保守主義”といった政治用語があります。英語で“コンサバティブ”と呼ばれる概念です。リベラルへの対立概念としてフランス革命の際に対岸のイギリスでエドマンド・バークという思想家によって提唱された政治的スタンスで、アメリカの共和党やイギリスの保守党などがこの立場に立ちます。元々バークの頃には、「人類には何百年にもわたって積み重ねてきた英知の集積があり、急進的な考え方よりもその英知の集積から学ぶべきだ」という意味での“保守”という言葉だったのですが、今ではその言葉本来の意味からちょっと変わってきており、「(ご先祖様や)自分の努力で築き上げてきた、既に手にしている地位(身分状況)や機会(経済的チャンスの状況)」を守り抜くこと、保守することを標榜する考え方です。“保守”しようとしているものが自分たちの国や郷土の伝統文化なのだろうと勘違いすると、とてもわかりにくくなるので注意が必要です。
もちろん、「何代にもわたって所有し、定住してきた土地」を保守することがその地位や機会を保守することにつながるため、必然的にその土地の伝統文化や風習を保守することにつながるといった面は、否定することはできません。ですが、地位や機会を保守するためにあえて伝統文化保存のための予算を削減するといった考え方もまた、「保守」ならではの考え方だと言うことはできるのです。


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