わが国でかつて主流だった「見合い結婚」は1960年代の後半以降どんどん少なくなり、2010年には全体の5.2%でしかなくなりました。

<参考:『出生動向基本調査』(国立社会保障・人口問題研究所)>

にもかかわらず最近、主に20代の“人生、いまだかつて彼氏いない女子”たちに、「ママ友の紹介で結婚しました」とか「親のツテで、育った環境や家庭の価値観が同じ男子とお見合いして結婚したい」という人が増えつつあるという特集記事が『AERA』の2016年2月8日号に掲載され、話題にのぼっています。

<参考:『20代の希望は親公認見合い』(『AERA』2016年2月8日号、ライター柳澤明郁)>


【「理想の家庭像は自分が育った家庭。ならば同質的な育ちの異性を親に探してもらうのが確実」という女子】

このような「見合い結婚希望女子」たちの恋愛や結婚にたいする感じ方を一言でいうと、「理想の家庭像は自分が育った家庭」ということであり、そうであるならば「自分と同質的な環境で育った男子を親に探してもらうことこそが、最も間違いのない“幸福な家庭を築く方法”だと思う」ということのようです。AERAの記事の冒頭で紹介されている例が、仲の良い母親同士が、娘、息子を紹介しあって、私立女子校出身の娘と私立男子校出身の息子が結婚に至ったという事例であることから、記事ではこのような結婚へのスタイルのことを「ママ友見合い婚」「ママ友紹介見合い結婚」のように呼んでいるのです。


【見合い結婚希望女子たちに共通する特徴とは……】

記事ではライターの柳澤さんが取材した多くの「見合い結婚希望女子」たちの率直な気持ちが紹介されていました。それをみると、こういった見合い結婚希望女子たちにはいくつかの共通する特徴があることがわかります。筆者なりにまとめてみますと……

●自分が育った家庭の環境に満足している。育った家庭で経済的な苦境とか両親の不仲とかを経験していない。
●理想の結婚相手は「自分の父親」と考えている。仕事で忙しくても料理を作り勉強もみてくれた父親のような男性と、恋愛では出会えないと思っている。
●離婚を絶対にしたくない。そのためには離婚リスクが限りなくゼロに近い男子と結婚する必要がある。そういう男子は親ぐるみでないと見つけられない。


【これほどまでに安全性を追求しても、それでも「何か」が起こるのが人生だということを忘れていませんか?】

ここまでお読みいただいただけで、「何よ、それ?!」と腹を立てていらっしゃる女子のかたもおられることでしょう。そうなんです。こうして見てみると、見合い結婚希望女子のかたがたって、羨ましいくらい「恵まれたお育ち」の人ばかりなんですね。「うちは貧乏で、両親もお金のことで喧嘩ばかりしてた」とか、「父親は家にいるときはお酒ばかり飲んでゴロゴロしていた」とか、「小学生のときに両親が離婚した。それ以来、母がいくつものパートをかけ持ちして働き、何とか学校に通わせてくれたけれど、大学の高い学費まで望むのはとても無理。奨学金という借金を背負ってでも進学すべきか悩んでいる」といったような、筆者たちの身近にいる普通の「ド庶民」ではないのですね。でも、彼女たちの前途には落とし穴も潜んでいます。それは、そうやって徹底的に安全性を追求して望み通りにお見合い結婚を実現しても、それでも「何か」が起こりうるのが人生だということを、彼女たちが忘れている(というか、“知らない“)ということです。


【転落したときや挫折したときに支え合う原動力は、二人が出会った頃の恋愛感情】

例えば、お見合いして結婚した旦那さまの勤める大きな会社が、ある日グローバルな巨大世界企業の傘下に入り、CEOによるトップダウンの意思決定で日本の市場からは撤退することになったとしたらどうでしょう。あるいはまた、自分と同質的な育ちだと思ってお見合いで結婚したら、旦那さまは絵に描いたような仕事人間で自分のことなどめったに振り向いてもくれない。聞いてみると旦那の父親も実はそういう人だった、とかです。このように、人生には「まさか!」や「なぜだ!」がつきものなのです。「まさか」や「なぜだ」の事態に遭遇したときに夫婦を支え合う原動力こそが、「二人が出会った頃の恋愛感情」であり、たとえお見合い結婚の場合であっても夫婦の間柄が末永くつづくためにはそれが必要不可欠であるということだけは、申し上げておきたいと思います。


「この人のこの仕草、かわいいな」とか、「インフルエンザの高熱でうなされてる私を近所のクリニックまでおんぶして連れてってくれたときのあの人の背中、ごつごつして頼もしかった」とか。こういった細やかな恋愛感情を、女子のみなさんは(もちろん男子もです)大切になさってください。それを大切にさえしていけば、結婚に至ったルートがお見合いであろうが何であろうが、それはどうでもよいことのように筆者には思えるのです。




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(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)