今の世の中、セクハラやパワハラやモラハラが横行し、ブラック企業やブラックバイトで溢れています。「慢性的人手不足」であるのなら、従業員を大切にし給料も出来るだけ上げることによって働いてくれる人を確保したらいいのにと思うのですが、何故だかそうはなりません。「人が集まらないなら人工知能とロボットに働いてもらおう」という考え方はまだ実用化途上の段階ですから、企業が稼いだ利益のうちの多くの割合を、ごく一部の正社員の人たちで取り過ぎてしまっていることが理由の一つかもしれません。

「使われる身」がこれほど大変だと、いっそ人から使われるのはやめて自分が得意とする分野で独立してしまおうと考える人がもっと多くてもいいような気がするのですが、どういうわけかそういった人とも滅多にお目にはかかれません。男性同様、女性にとっても「独立」や「自営」よりは「お勤め」の方が絶対的に楽なのは、どうしてなのでしょうか?


【個人や中小・零細レベルで「自営」、「経営」することがどれほど大変なことか】

現代社会で、“才能に溢れた実業家”という風に呼ばれた人でも、組織体の経営者として本当に成功したと言える人は、実はそんなに多くはありません。例えば、「ホリエモン」と呼ばれて有名になった元IT起業家の方だって、企業の経営者としては失敗者なのであって、タレントさんとして一流なわけです。シンガーソングライターの小田和正さんは音楽で巨額の富を得ましたが、和正さんの後援者で実家の商売を守ってこられたお兄様は頭脳も人格も素晴らしい方であるにもかかわらず、その横浜の薬局チェーンは週刊誌で取り上げられるほど厳しい経営を余儀なくされてきました。漫画界の巨匠・手塚治虫さんにしてもエンターテインメント事業の会社の経営者としては、自分のプロダクションを倒産させています。

つまり、ある分野の才能に恵まれた人が「その才能そのものを売る」といった範囲内に留めておけば個人レベルの商売も成り立つけれど、その才能によって生み出される様々な付加価値を恒常的に管理し、多くのスタッフに賃金を支払った上でも常に利益が生じるように組織体を経営するという仕事は、よほどの巨大資本を背景にして組織的・合理的に行われない限りは10年、20年と存続することは難しいものなのです。これは、長きに渡って「男社会」であったフィールドで男性がやっても難しい仕事でありますから、そんな中で女性が伍してやって行くのは至難の業と言えるでしょう。


【「お勤め」が「自営」よりも楽なことは、火を見るよりも明らか】

このように「自分で経営をする」という厳しい仕事である「自営業」が、「お勤め」より大変であることは火を見るより明らかであり、「自営業」は3年も続けられたら大したものですが、「お勤め」は(もちろん働く人を人とも思わないようなブラック企業に居たり、まるっきり自分に向いてない仕事に携わっているような場合は別ですが、そうでない限りにおいては)慣れてくれば何年も続けることができます。「この社会システムでは生活が苦しい」と行政に不満があったとしても、それに対して正面切って抗議をし続けるよりは、愚痴を言いながらでも毎日勤め先に出勤しさえすれば生活は何とかかんとかして行けるものです。これが、お勤めを辞めて自営業一本になってしまったら、取引先に対して約束の期日に「支払いができません」などと言おうものなら一気に信用を失墜してしまいますから、自営業者は眠れない夜が続くものなのです。


【自分がお勤めには向いていないと感じても、お勤めを完全には辞めない状態をキープして試行錯誤すること】

最近の若い人たちの中にはNPO法人のような「利潤の追求を目的とせず、社会貢献を目的とする団体」を立ち上げて運営する人が徐々にではありますが、増えてきてはいます。このような独立のし方は女性に特有の人類愛と相性がいいように思われますので、今後も女子たちの間で増えて行くことでしょう。筆者の周りにいる20代の女性たちの中にも、「お金儲けに人生をかける気にはなれないけれど、困っている人たちを幸せにするお手伝いなら人生をかけてやってみたい」という人がかなりいます。

そうでなく、「自分は社会貢献をライフワークにするのが似合ってる人間じゃないわ」とおっしゃる女子もいるでしょう。全然恥ずかしいことではありません。人にはそれぞれ個性があります。そんな女子が「私、お勤めに向いてないわ」と思った時には、今日お話ししてきたことをちょっとだけ思い出してください。独立・自営するというのは大変なことです。お勤めを完全には辞めない状態をキープしたまま、自分の才能を活かせるクリエイティブなお仕事を「お試し」で始められることをお奨めいたします。具体的には2016年3月22日に公開された筆者のコラム『今どき女子の働き方「クラウドワーキング」はどの程度取り入れるべきか?』

http://www.womannews.jp/lifestyle/shigoto/41263/

などが参考になるかと思います。女子のみなさん、独立や自営は簡単なことでは決してありませんが、今は一歩一歩「完全独立自由人」に近づくためのツールは用意されている時代になってきていますので、自分が人に使われるのに向いていないと思っても諦める必要はないのです。




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(女子のお悩み解決コラム -WomanNews ウーマンニュース-)