先日、睡眠薬で夫殺かというショッキングなニュースがありました。夫(71)に200錠の睡眠導入剤を混ぜたみそ汁を飲ませて殺害したとして、妻(63)を逮捕したという事件です。筆者もこの事件を報道するメディアから睡眠導入剤に関するインタビューを受けました。一般的には、200錠もの多量の睡眠薬を一度に服用することは、難しく、不可能といっても言っても良いと思います。また、睡眠薬で殺害や自殺は、理論的には多量の睡眠薬を服用すれば死に至ると言えますが、実際には、死に至る前に眠りに落ちてしまうので実行は難しいと考えられます。睡眠薬で殺害などというニュースの影響を受け模倣する人がでないよう今回は、睡眠薬のお話しです。


「睡眠薬の過剰摂取で死に至るのか!?」

冒頭でも述べましたが、理論的には致死量の睡眠薬を摂取すれば死に至るでしょう。致死量は、一概に何錠とは言えず、その人の体重、年齢などにより致死量となる量には、違いがありますが、睡眠薬を過剰摂取すれば死に至ると言えるでしょう。ここで「理論的には」と付け加えている理由は、実際には、睡眠薬を致死量まで服用することは、ほぼ不可能と言えるからです。人が一口で飲める量には、限界があるでしょう。致死量まで服用する前に眠りに落ちてしまいます。当然、睡眠薬を他人に過剰摂取させることも不可能に近いと考えられ、「睡眠薬で夫殺害の事件」は、睡眠薬だけではなく、高齢や持病などの要因も重なった結果ではないかなと予測されます。もちろん、常用量以上の睡眠薬を服用すれば、体へのダメージは大きいので絶対に睡眠薬の過剰摂取などしてはいけません。


「睡眠薬過剰摂取によるダメージは?」

睡眠薬だけの過剰摂取で死に至ることが難しいとはいえ、過剰摂取すれば昏睡,呼吸抑制,血圧低下などが起こります。昏睡状態で救急搬送されれば睡眠薬を体から排出するための処置が施されますが、過剰摂取により代謝・排泄に肝臓や腎臓に負担がかかるため肝障害や腎障害が起きる可能性もあります。また、意識がもどっても頭痛や吐き気、手足の痺れなどいろいろな不調や後遺症が続くことがあります。


「規制されている睡眠薬の処方量」

睡眠薬は、医師の診察と処方がなければ手に入れることはできません。睡眠薬の処方日数については30日と規制されています。たとえ年末年始の休みや長期の海外渡航などを理由に挙げても30日以上の処方はできないよう厳しく規制されています。しかし、もしも患者が処方された睡眠薬を服用せずにストックしている危険性もあります。「睡眠薬で夫殺害の事件」では、容疑者の妻は、医療機関で処方された睡眠薬を飲まずにストックしていたものを犯行に使用したと報道されています。今後は、医療機関もいかに睡眠薬などの飲み残しがないかをいかにチェックするかが課題かと思います。

また、ドクターショッピングといい複数の医療機関を受診し複数の医療機関から睡眠薬の処方を受けていたなどという例もありますが、現在は、診療報酬について審査する支払基金や国保連合会、医療機関、薬局が連携し、ドクターショッピングによる重複処方を防ぐように努めています。


なんども繰り返しますが、自殺目的などで睡眠薬の過剰摂取をすることは、絶対にしてはいけません。また、最近では、「睡眠薬で夫殺害」とのニュースのように他人に睡眠薬を飲まされるケースもあり注意が必要です。つい先日も泥酔している女性に睡眠薬を飲ませ連れ去ったという事件がありました。睡眠薬が犯罪に使用されるケースは多く、製薬会社も防止策に努めています。中には、犯罪防止のために水や飲料水に入れると鮮やかな色がつくように工夫されているものもあります。疑えば、キリがありませんが、自分で自分の身を守るためには、危機感を持つことも大切ですね。




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