知り合いの20代後半の女子で、「私、もうずっとここの契約社員でいいんです。一時期は会社にある正社員登用制度を利用してどうしても正社員になりたいと思ってた頃もあるんですけど、うちの会社の正社員の人たちって生活基盤は安定してるかもしれないけど“社畜”って表現がぴったりの人が多いし。私は実家暮らしだから親が生きてる間は契約社員の収入でも困らないし、今の仕事をつづけながら得意なアップルパイ作りの腕を磨いて先々それを生業にできたらなあって思ってるんです」と、筆者に言った人がいます。

リーマンショック後の大不況のさ中に運悪く新卒の時期をむかえてしまい正社員として就職できずに20代後半に入ってきた彼女のような女子がわが国に多いことはたしかです。


【企業は最初から非正社員を正社員に登用するつもりがない?】

彼女のように「今の会社で正社員昇格を目指すべきだ」と思い込まされてきた女子は、何かに「洗脳」されていたのかもしれません。何かとは、ひとつには非正規労働者を正社員よりも“下等”なものとして見下すその会社の風潮。そしてもうひとつはこれほど非正社員を正社員に登用する企業が少ない(というか、最初からその気がない)現実があるのにもかかわらず、「正社員にならなければ一人前ではない」と考えて本人に無駄な努力を促すその会社の旧世代の人たちの感性です。

正社員登用のチャンスを求めてさほど興味もなく好きでもない分野の資格を取ることに時間を費やしたけれど結局は何の役にも立たなかった。これなら最初からアップルパイ作りの腕を磨くことに時間とお金を使った方がよかったのです。


【あくまでも正社員を目指した方がいいかどうかを判定するための3つの項目】

それでは、非正規で働く女子は今働いているところでなく全く別の会社の正社員募集に応募してでも、あくまでも正社員を目指した方がいいのでしょうか?
ここから先は、その人の「人生観」の問題になります。次の項目にイエスかノーかで答えてみてください。

・ローンを組んででも持ち家に住まなければ一人前ではないと思う
・正社員にならなければ結婚は難しいと思う
・非正規労働者は、やっている仕事の難易度レベルが正規の人より低いと思う

一つでもイエスと答えた人は、相当ハードルの高い就活をすることになるとは思いますが、あくまでも正社員を目指してみるべきかもしれません。それは、理屈ではなく人生観が大きな「思い込み」に左右されているので、一度正社員として働いてみないことにはその思い込みから自由になれない確率が高いからです。「いい」「わるい」を言っているのではありません。

一方、アップルパイの彼女のような女子は、もはや無理して正社員を目指す理由はどこにもありません。いい意味で「達観」することができたからです。おそらく上の項目の1、2、3ともに「ノー」と答えたことでしょう。


【正社員絶対主義の思い込みから自由になれば、いろんな道が見えてくるかも……】

それからしばらくして彼女と会ったとき、前日の夜に焼いたばかりだというアップルパイを持ってきてくれました。「ありがとう」とお礼を言い、家に帰って電子レンジでチンしてから一口食べた筆者は、魂消(たまげ)ました。

「美味しい」なんてもんじゃない。それはもう、もっともっと大勢の人たちにお金を払って食べていただきたい、まさに“絶品”と呼ぶに相応しいアップルパイだったのであります。

筆者は確信を持っています。彼女はおそらく、あと数年今のところで契約社員として働いたら、何らかの形でアップルパイの商売を始めるはずです。あのとき手製のアップルパイを配っていた十人前後のカルチャー教室の仲間たちのうちの誰かが、あれを食べてしまった以上黙っているはずがない。そういう確信です。

もしかしたらカルチャー教室が入っているビルの1階のパン屋さんで、先ずは買えるようになるかもしれません。「あんたが口利きするつもりだろう」ですって?
さあ、それはどうか分かりません。

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