実証分析を得意とするインターネット・ニュース・メディアの「The Capital Tribune Japan」は先ごろ、クラウドソーシング企業に登録しているクラウドワーカーのうち月収20万円以上を稼いでいる人は111人しかいなかったという主旨の記事を公開しました。

クラウドソーシングとは、群衆(crowd)に業務委託(sourcing)するというところに由来する造語で、仕事を発注したい企業と仕事のしたい個人等をネット上で仲介するサービスのことです。アウトソーシングが経理業務のような専門性の高い仕事を社外に外注することを指します。

それに対して、クラウドソーシングはイラストレーション・パッケージデザイン・ロゴデザイン・音楽作曲・音声製作・商品提案・作詞・文章作成といった創造性の高い仕事を不特定多数の人に外注することを指し、そのようなサービスを利用して仕事をすることをクラウドワーキング、そのようなサービスを利用して仕事をする人のことをクラウドワーカーと呼んでいます。

【女性や地方在住者、リタイア者に新しい働き方を提供したクラウドソーシング】

クラウドソーシング大手の株式会社クラウドワークスが2014年3月19日に発表した調査結果によると、同社を通じて働いた経験を持つ人を対象とした全国調査では、女性の91%が「クラウドワーキングによって働く機会が増えた」と回答しています。これは至極もっともな話で、例えば子育て中の女性にとっては赤ちゃんが寝てくれている間だけでもその時間に在宅で仕事をするチャンスが生まれたわけですから、大変ありがたい話です。

そういった恩恵は何も女性に限らず、ネットがなかった時代には東京をはじめとする大都市の知的コンテンツを扱う企業とのコミュニケーションに限界があった地方在住者の方々や、リタイアしたけれど自分の経験や知識をまだまだ世の中に役立ててもらいたいと願っている時間のできた中高年の方々などは、クラウドソーシングの登場によって素敵なチャンスを手に入れることになったわけです。

【「本業とするにはあまりにも低収入」という問題も】

このように「新しい働き方」を実現させてくれたクラウドソーシングですが、一方で「それを本業とするにはあまりにも低収入だ」という批判的な見方が存在することも事実です。記事ではクラウドワークス社の約80万人いる登録者のうち月収が20万円を超えたクラウドワーカーの数が111人しかいない事実を取り上げていますが、80万人中の111人といえば0.01パーセント。「ほとんど存在しない」という表現の方がふさわしい水準かもしれません。

女性や地方在住者やリタイア組の中高年に新しい働き方と自己実現の機会をもたらす手助けをしてくれたクラウドソーシングですが、それを本業としたり、それ一本で生活して行こうと思っても現状ではかなり難しい「働き方」であることもまた事実のようです。

【それだけで生計を立てられる人も、お小遣い稼ぎでいい人も、それぞれの考えでシステムの活用を】

「それだけでは生計を立てられないじゃないか」という指摘を克服するために、クラウドソーシング企業では今、質の高い仕事をするクラウドワーカーにたいしてその「プロ度」を認定する制度を導入しはじめていると、記事では紹介しています。この動きは、クラウドソーシング企業がその社会的存在意義を高めて行くうえでも大変よいことであろうと、筆者は思います。

一方で、これまでただただ好きでやっていた趣味の手仕事(デザイン、イラスト、手芸、文章書きなど)で、月に2万円でも3万円でもお金を稼ぐことができるというのも、けっして悪い話ではないはずです。とくに女子のみなさんの中にはそう感じる方が多いのではないでしょうか。

クラウドソーシングは仕事を紹介する側も仕事を請け負う側も、発展途上の人たち(crowd)によって成り立っている面が文字通りあり、現時点の自分としては生活全体の中にどの程度取り入れてやって行くか。その答えを一般化することは第三者にはできません。が、少なくとも「こういうお金の稼ぎ方も有る時代になったんだ」とプラスにとらえてやって行く分には、ありがたい存在であるといえるのではないでしょうか。
<参考:『在宅だけで稼げる? クラウドワーカーは「ブラック」か「福音」か』 2016年3月9日付「THE PAGE」より>



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